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母「Aー、学校遅れるよー」
『はーい』
春、私は高校へ入学した。
『いってきまーす』
片道30分。
歩いて学校へ向かう。
｛新入生の皆さんはこちらでーす｝
在校生の先輩が案内をしてる。
『あった…E組…』
沢山の名前が書かれた掲示板から自分の名前を探す。
『…あれ？』
柚「わー！同じクラスだねー！」
聞き覚えのある声。
『柚葉？！』
柚「久しぶり！」
『なんで？！』
柚「私もここ受験したの。偶然だね」
『言ってくれればよかったのに…』
柚「だってそーゆー話する機会なかったじゃん笑」
行こ行こーと先を歩く柚葉。
柚「へー。動画上げてんだ？」
『うん。ずっとやりたいと思ってて、あのライブのあとから本格的に』
柚「見せてよ。見たい。」
『えぇ〜。』
恥ずかしいなぁ。
柚「私がファン1号になる。」
『なにそれ笑』
はい。とスマホを渡して、
最近流行りの動画サイトに載せた動画を見せる。
柚「え、上手くない？」
『ありがとう…笑』
柚「いやいや、お世辞じゃなくて。普通に。」
『そんなことないよ〜』
褒められたのがなんだか恥ずかしくて、
そそくさとスマホをしまった。
柚「てか、普通にすごいでしょ。」
『なにが？』
柚「これ、この動画2週間前の動画なのにもう2000いいね超えてるよ？」
そう。
有難いことに割とバズってる。
柚「路上ライブとかしなよ。私ずっと見てるわ」
『えぇ笑』
路上ライブだって本当はやりたい。
『でも人集まるかわからないし…』
柚「最初はそんなもんでしょ。」
たしかにそうかもしれない。
『…ちょっと…考えてみようかな…』
柚「うん！応援するよ！」
新しい弦でも買いに行こうかな。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年1月2日 2時
