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「こんにちは」
横「おー。大倉。来たか。」
『こんにちは〜…』
あぁ、もう。
なんでやねん。
なんで今やねん。
『はじめまして！本日案内係をさせていただきます！朝倉 Aです！』
「はじめまして。よろしくお願いします。」
はじめましてちゃうのに。
散々練習した笑顔が張り付いてしまった。
『横山さんの知り合いなんですよね？』
「はい。」
あなたの知り合いでもありますけどね。
『てことは関西出身ですか？』
「そうですね。大阪です」
『えー！私も5歳まで大阪でしたよー』
「そうなんですか。」
知ってる。
『大阪のどこですか？』
「東大阪です」
『え！私も東大阪でした！』
知ってる。
もうええか。
「…てか」
このままAとの関係も壊せば、
香奈は許してくれるやろうか。
「俺ら、幼稚園一緒やったで」
俺がそう言えば、大きい目をさらに大きくして驚いた。
『えっ…もしかして…』
「…？」
『たぁくん？！』
そうやってはしゃぐ姿、昔と変わってへんな。
「思い出したんか。」
『思い出すもなにも…！』
「お前、おんぶ好きやったなぁ笑」
昔のことを思い出して自然と笑顔がこぼれる。
「まぁもーおんぶは無理そうやな〜」
『うるさ！もう案内してあげないよ！』
「ごめんごめん笑。迷子だけは勘弁やで笑」
ちっちゃい頃、お散歩で近所の広い公園行って迷子になった。
〜〜〜〜〜
『たぁ、く…(泣)』
「Aちゃん、泣かんとって？」
『おんぶして…(泣)』
〜〜〜〜〜
社内見学が終わればすぐ横山くんに呼ばれる。
横「…事情はなんとなく聞いたけど…」
「…そのままやで。」
横「平気なんやな？」
「半年も経ってるしな」
もう半年も前か。
横「…ならええけど」
これが全ての終わりで全ての始まり。
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年1月1日 5時
