このうたをあなたへ届けたい.2 (ページ12)

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Aside

『もしもししょうちゃん？』

安《もしもしー？》

『今から帰るねー』

安《ん！わかったわかった》

電話を切って、パパの車に乗り込む。

父「バージンロードはパパと歩いてね…ｳﾙｯ」

『ちょ、前見て走って…』

車だとそう遠くない距離を行く。

父「絶対だよ！！！絶対だからね！！！」

『わかったってば笑。ばいばい』

父「ｳｸﾞｯ…ｸﾞｽｯ…」

あんな父親嫌だ。

あそこまでめんどくさかったっけ？

PRRRRRRRR…

『もしもし？』

安《もしもしー。ついたー？》

『うん。今ちょうどマンションの下』

安《りょうかーい。ほなこのまま繋いどこうかなー》

『えーどうしたのー？笑』

いつも通りオートロックを解除して、

エレベーターに乗る。

安《クイズ出すわ》

『えーなに笑』

安《んー。次の英文を日本語に直しなさい。》

『クイズじゃないし笑』

しょうちゃんの家の階に着いて、

エレベーターを降りて長い廊下を歩く。

安《He said to her, "Please get married."》

『えー？…［彼は彼女に"結婚してください"と言った。］？』

あれ？なにこれ。

『しょうちゃん、なんか紙貼ってある』

安《どこに？》

『ドアに。』

ﾌﾞﾂｯ…ﾌﾟｰ､ﾌﾟｰ､ﾌﾟｰ…

急に電話が切れてしまった。

『なにこれ…』

紙をとって見てみる。

【愛しいキミへ。

けなげなキミを好きにな

って、気付けば

こんなに時間が経っていた

んだね。ボクは

しあわせものだよ。素敵な人たちに囲まれ

て、感謝してもしきれない

くらいにありがたく思ってるよ。

だから、これからもそばにいてくだ

さい。ずっとずっと、愛し続けてくださ

い。ボクもそばに居るし、愛し続けます。

ボクより。】

可愛い笑

『ちょっとしょうちゃんなにこの紙～笑』

紙を剥がして、ヒラヒラさせながら玄関を開ける。

『…え？』

バタンとドアの閉まる音がして、

私はその場に立ちつくす。

イルミネーションライトと、

私やしょうちゃんの写真が目線の高さに吊るされている。

それと黒いパンプス。

なにこれ、なんかサイズでかくない？

ｶﾞﾁｬ…

『……？』

トイレのドアが空いて、目を凝らして見る。

大「どうも、大倉ジラ子です♡ぴえんこえてぱおん♡」

『………………は？』

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