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｢……うん｣
錦｢ほんま、嫌いになったとかじゃなくて｣
｢わかってるよ｣
そんな顔しないで。
錦｢ほんま、その…｣
｢いいから…｣
鈍器のような重たいもので頭を殴られたような感覚。
真っ白になる。
錦｢ごめんな…けど…｣
｢うん…｣
亮ちゃんは悪くないよ。
だからそんな顔しないで。
笑って見せて。
錦｢ほな…俺帰るから…ちゃんと…｣
｢うん｣
ほとんど何も聞こえないけど返事をする。
ﾊﾞﾀﾝ…
亮ちゃんが帰ったあとの静かな部屋。
｢…(泣)｣
私が鼻をすする音だけが部屋に響く。
《もしもし？》
｢…(泣)｣
《は？なんやねん》
｢ヒナちゃん…(泣)｣
村《なんやなんや。また喧嘩か？》
人の声を聞いて安心する。
村《ちょ、ほんま平気か？》
｢うぅ…(泣)｣
村《こっち来るか？来れる？そっち行こか？》
錦『もう男と2人で会わんとって…』
『うん…』
ダメだ。
だって別れたわけじゃないもん。
わかってるよ。
｢でも…(泣)｣
村｢…？｣
わかってるのに。
｢会いたいよ…(泣)｣
.
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2020年11月25日 0時
