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横「…Aちゃんは…?」
「え…?」
横「俺の事…まだ好き?」
「……嫌いです…大っ嫌いです…」
横「…そっか…」
横山さんの悲しそうな顔。
「待ちくたびれました…何回も離れようとしました…」
横「おん…」
「…けど…結局大好きなんです…(泣)」
横「…おん…」
自分の服の袖で涙を拭く。
「急に突き放すし…急に甘えてくるし…バイト先のロッカーの名前剥がれてるし…表札ないし入ったらダンボールだらけだし…またどっか行くのかと思っちゃうじゃないですか…(泣)」
横「…全部聞いてくれる?」
「長いですか…?(泣)」
横「…多分…」
「…こっち…来てください…」
横山さんが黙って私の方に来る。
「…はい…」
横「…はいよ」
横山さんの腕の中にすっぽりと収まる。
横「…2週間前…おかんが死んだ…」
「…はい…」
横「それより前は会いたくもなかったし…なんならはよ死ねやって思ってたくらいで…」
「…はい…」
横「…手紙届いて…やっぱり会いたいって思って…」
横山さんがぽつぽつと言葉を発する。
私はそれをただただ聞くだけだった。
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2020年10月1日 10時