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「どうぞ」
横「…おじゃまします…」
リビングに案内する。
「お茶でいいですかー?」
横「来て…」
「…はい。」
何故か断れなくて横山さんの横に座る。
「ちょ、横山さん…」
横「……今は…これでええ…」
また強く抱きしめられる。
「自分の家でゆっくりしなくてよかったんですか?」
横「…俺の家にAちゃん呼んでも…どっか行ってまうやろ…?」
5歳児みたいな横山さんを優しく包む。
「どこも行きませんよ…」
横「…俺、ずるい…?」
「………ちょっとだけ…」
横「嫌いになった…?」
「…好きですよ…」
横「……うん…」
付き合う流れかと思っちゃった自分がいた。
「どこにも行きませんから…」
横「…さっき…」
「はい」
横「…病室でプリン食ってん…」
「…はい」
横「…昔…おかんに俺のプリン勝手に食われたことあって…」
「…それのお詫びですか…?」
横「…未だに覚えてんねやなって思った…」
いつもより小さく感じる横山さんを強く抱きしめた。
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2020年10月1日 10時