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「横山さん…」
横「…まだ(泣)」
少女漫画とかであるあるの
泣き顔見られたくなくて離してくれない事件。
横「一通だけ開いてるから…それ読んで…」
「え、ちょっと…」
横山さんの股の間に座って、後ろから抱きしめられる形になる。
「まだ離れないんですか…?」
横「…ん。」
「そうですか…」
横「なんか…いい匂いする…」
「…ありがとうございます…」
唯一空いてる封筒の中を見る。
【きみくんへ。】
きみくん?
いや、まてまてまてまず読もう。
【お母さん、ガンになりました。】
【もうそんなに長くないみたいで】
【最後にきみくんに会いたいなって思って】
【こんな母親嫌かもしれへんけど】
【プリン、買って置いとくからね】
「…(泣)」
横「なんで泣くねん…笑」
「…だって…(泣)」
そうかそうかって言って私の頭を撫でてくれる。
体勢は相変わらず。
「横山さん、肩重いです」
横「んー。」
「んーじゃなくて。」
横「…」
「横山さん?んやっ…」
横山さんの柔らかい唇が私の首筋をなぞる。
横「あ、跡ついた」
「なにしてるんですか!」
横「ごめんごめん笑」
やっと横山さんが笑った。
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2020年10月1日 10時