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吊り橋の先の集落には何人か人が見える。
___久しぶりに、石化していない人間を見た気がする。
少し感動だ。
にしても金髪……?ここは日本じゃないのか?
服装はまあ彼らの家と同じように質素なものを着ている。
この文明レベルの人達が、太陽光発電を理解しているとは考えられないが……。
そもそも電気という概念を知らないだろうし。
「おい」
となると、石化の解けた現代社会の人間が、私をああしておいてくれたのだろう。
「……おい」
その人はどこにいるのだろう?
……あの集落の人達に聞いてみる方が早いか。
「おいテメェ」
『……え』
突然右肩に手を置かれて少し驚き、後ろを振り向けばネギのような頭をした男がいた。
右肩は破損しているから余り触らないで欲しいのだけれど……。
「……クク、3回呼んでようやく気付くとか、ポンコツロボかよ?」
ポンコツロボって……初対面なのに酷い言い様だ。
……ん、ロボ?
そんな言葉、現代人じゃないと知らないはずじゃ?
『……あの、もしかしてあなたは___』
「ああ、元・現代人だ。
お前を起こしたのは俺だ、感謝しやがれ機械人形サンよォ。」
起こしたとはつまり、電池切れに気付いて充電してくれたということだろう。
『ありがとうございました、ネギ頭サン。』
「あぁ?誰がネギ頭だテメェ」
『お名前がわからなかったもので。』
明らかにネギだし。
「ったく……ガチでポンコツロボかよ?
俺は千空だ。テメェは?」
『千空ですね。
私の名前でしたら、Aと申します。』
Aというのは、父さんにつけて貰った名前だ。
まさか、石化した世界でもう一度この名を名乗れる日が来るとは、夢にも思わなかったが。
『あの、今って人間が石化してから何年経ってる……とかわかりますか?』
「あー、だいたい3700年っつーとこだ。」
ということは、機能停止してから今までに約3000年経ってるのか……。
よくその間、右腕だけの破損で済んだものだ。
とにかく、今はもっと重要な事がある。
『色々お聞きしたい事があるのですが、宜しいですか?』
どうしたら石化は解けるのか、とか。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (6月15日 18時) (レス) @page9 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
瑞野エイ(プロフ) - 現在は余裕が出てきたため再開しようとした所、前垢にログインできなくなっており、このような形になってしまいました。申し訳ありません。 修正等加えながら書いていきますので、またお付き合い頂ければ幸いです。 (2021年1月31日 21時) (レス) id: 33f47a7180 (このIDを非表示/違反報告)
瑞野エイ(プロフ) - 同名義の作品がありますが、作者は同一人物です。以前に私生活の都合上作品の更新が難しくなり、勝手ながら更新停止させて頂きました。 (2021年1月31日 21時) (レス) id: 33f47a7180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞野エイ | 作成日時:2021年1月30日 19時