罪人＿ﾂﾐﾋﾞﾄ＿

第49話ー敬浩sideー ページ50

俺らは今…夢を見ているのだろうか




長い間会いたいけど会えなかった彼女が



謝りたかったけど謝れなかった彼女が





貴「…」




目の前に居るのだから


亮「今後も俺と姉はアーティストとして活動します、もちろん企業のほうとも両立させますのでご心配なく」





貴「Thank you for listening」




展開早く進みすぎて頭がまったく追いつかねぇ







けど、どうして彼女は俺達を庇ってくれるんだ…




あんな酷いことしていて正直もうアーティストとしてやれないことも覚悟していたのに




…いや、違う



彼女がそういう性格だった




昔から、優しかった



他人のせいだとしてもそれを責めたりする子なんかじゃない


あの時もそうだ




貴”皆さんは…私が居なくなれば…笑えますか…幸せですか？,,


あの言葉最初言われたとき当時はそんなに重く受け止めていなかった



今思えばあの時止めておけば



俺が何か声をかけていられたら、



彼女の支えになれていたら





何か変わっていたのかもしれない




何やってんだ自分ｯ！




のうのうと何も知らずに生きて


あいつらの苦労も悲しみも絶望も




全部全部犠牲にして生きていた



そんなので何が世界一のアーティストになるだ


何が俺らなりの音楽だ




こんなことしてこんな甘い考えしてその前に自分のやってきた事考えろよ





ごめん、って謝ればいいなんてもんじゃない




そんな風に軽く考えるもんじゃねぇだろｯ!



自然とこぶしに力が入る




あいつらが頑張って這い上がろうとしているのに


それを最悪な形で蹴落として


それを笑って


俺は俺は…







罪を犯した




ﾂﾐﾋﾞﾄだ

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