大倉の彼女になるということ。 緑

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目が覚めるともう夕方の6時だった。


家に忠義がいなかったから

帰ったんかなぁって思って

冷蔵庫から水を取りに台所へ行ったら





「A！！！！！

寝とらなあかんやん！！！！」






サングラスとマスク姿の

不審者みたいな格好をした忠義が

沢山の買い物袋をもって登場した。笑




「水飲みたかっただけやで。

どこ行ってたん？その荷物何？」


「ん？あぁ、買い物してきたんやで！

たーくん特製の卵とじ粥、作ったるからな！」


「えー、忠義の料理とか心配やねんけど笑」






嘘だよ。

私、eighterやねんから。

忠義が料理できる事くらい知っとる。


ごめんね忠義。

照れ隠しでそんな言い方しちゃって。


本当は感謝してるで。ありがとう。


可愛いない彼女でごめんね。





「A、少しでええから食べよ。

薬飲めへんからな。」


「飲みたないわ。

しかも食べられへん。」


「一口でええから。

一口食べて、薬飲んで寝よ。」



な？って言って

あーんって言いながら

スプーンを近づけてくるのが可愛い。


しょうがないから一口食べたら

おいしくて、

久しぶりにちゃんと食事ができた。


3分の1くらいしか食べられへんかったけど、

いつもに比べたら食べられた方。



大っ嫌いな薬も

大好きな忠義が一緒にいてくれたから

頑張って飲めた。



昔から体調悪い時は

忠義がいると少しマシになんねん。








「あっためたるっ！」


って言いながら

ベッドに潜り込んできた忠義に

抱きしめられながらまた寝た。









こんな風に、毎日仕事が終わっては来て、

ご飯作ってくれて、一緒に寝てくれて、


そのおかげで3週間で

だいぶ元気になって

食べ物も徐々に食べられるようになって

ついに明後日から会社に復帰する。






夜、いつものように忠義が家に来た。




「A〜！可愛いAちゃ〜ん！

ただいま〜！！」


「ここあなたのうちじゃないけど笑

おかえり笑」



私をぎゅっと抱きしめる忠義。


この瞬間が最高に安心する時間やねん。




「A、明後日から仕事やろ？

やから、明日OFFにしてもらったから

デート行かん？？」



私達は付き合いだしてから

1ヶ月近く経ったけど、未だに

一度もデートをしてない。




「え、本当に？

デートなんてして平気なん？」


「バレないようにすれば平気や。

嬉しいやろ？

素直に嬉しいって言いや？♡」








やっぱりこいつには

嘘は通用しないみたいや。

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