215 「……」 ページ10
*
師匠と呼ぼうとしたけれど、沈黙が耳に痛くて、心臓がいやにドキドキして、声が出せなかった。
長い、長い沈黙を破ったのは師匠だった。
「そろそろ、やめないか」
何を、と小さく呟く。
「前に、『師匠が好き』と言ってたな」
頷く。前にというか、いつもだけど。
これは本当のことだ。嘘なんかじゃない。師匠のことが大好きだ。
「……クロロのことは、好きじゃないのか」
ばくん
「は……」
何。何、言ってんだ。
「好き、って……そりゃあ、好き……」
ぐるぐると師匠と過ごした記憶が頭の中を回る。
好き？
好き、すき、スキ
好きだ、うん。
……好き、だよ。
記憶のメリーゴーランドはどんどん速さを増した。
目の前がチカチカするくらいになって、最後には真っ白に、ぱぁんと弾けた。
「……いつまで、お前はーーオレに気付かない？」
やめないかって、つまり『弟子』を？
気付かないって、つまり……
ーー私なんかが、××になっていいわけない
幼い自分の声が、胸の中から響いた。
「オレはーー」
振り向きざまに、師匠の口を両手で塞いだ。
そしてーー
「……あはは！冗談言わないでくださいよ、師匠！」
敬語で、師匠と呼んで、ふざけたように笑って。
「からかおうとしたって無駄ですよ。私かて、子供じゃないんですし」
師匠の膝の間から立ち上がって、部屋の真ん中でくるんと回ってみせる。ひひ、といたずらっ子のように笑って。
「冗談きついっす」
笑っている自分の顔は鏡に映って見えたけれど、師匠の表情は見えなかった。
「私、ヒソカのとこ行ってきます。G.I.について調べてるそうなので」
「……ああ」
「それじゃ」
師匠が立ち上がる前に、私は部屋から出た。
部屋から出て、ドアを閉めて、廊下を少し歩いて、……くたっとしゃがみこむ。
心臓の音がうるさかった。
「……あは」
耳に着けられたピアスが重い。
「冗談きついわ……」
手で触れた頬は、ずいぶんと熱かった。
*
216 「さぁー！やってきましたついに！！ついに！私、g……」「G.I.だね★」「何で遮るんだよばかぁ！！」→←214 「G.I.にいざ行かん……だけどさ」ヒソカ「ボクも一緒でしょ？」「嫌ぁぁぁぁあ！」
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勿忘草 - 216話の少女(57歳)に吹きましたwロリババa((殴 (2020年6月5日 21時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - ２１２話最高ですね夢主...強い(確信) (2020年6月5日 20時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 白瀬さん» 早口言葉ですね！！さぁご一緒に！！「ボポボボポボボポばがぶっ」(舌を噛む) (2019年8月29日 17時) (レス) id: d9b557ad09 (このIDを非表示/違反報告)
白瀬 - ボポボって言いづらいよね‥（遠い目 (2019年8月19日 21時) (レス) id: 07b463bee0 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 林 香織さん» 香織さん、ありがとうございます！クロロイケメンになってますか！？良かったです！！更新ペースが遅くて申し訳ないです…楽しんでもらえるようにこれからも頑張ります！ (2019年7月12日 23時) (レス) id: d9b557ad09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2019年4月7日 0時
