15 ページ15
萌絵side
最愛の妹が、突然、この世界からいなくなった。
呼び掛けても、その返事は返ってこない。
萌絵「可純！
可純〜！」
可純がいなくなった、あの日。
私は、大声で泣き叫んだ。
美菜ちゃんも、柚月くんもいる中で...。
病室で、可純の荷物を整理していると、
マクラの下の隙間から、水色とピンクと白の
封筒が見えた。
私はすぐにそれを取り出した。
美菜ちゃんと柚月くんと私宛てだ。
私はすぐに自分宛ての手紙を読んだ。
------------お姉ちゃんへ------------
この手紙を読んでいるってことは、
私はもう、お姉ちゃんの側にいないんだね。
分かってたけど、相当ツライや。
お姉ちゃんは、私の唯一の家族です。
生まれた時から、ずっと隣でいてくれて。
お父さんとお母さんが亡くなったときも、
ずっと慰めてくれた。
私、『お姉ちゃん』という存在があったから、
今まで、生きてこれた。
何も、生きる意味でさえ失った私に、
お姉ちゃんは泣きながら言ったこと、
今でも覚えてます。
《可純は大切な家族だから。
可純がいなくなることだけは
絶対にイヤ》
そう言ってくれたね。
私、すごく嬉しかったんだよ。
それに、お姉ちゃんと約束もした。
【絶対にいなくならない】
けど、それは叶えられなかった。
だから、次の約束ね。
【幸せになろう】
きっと、この約束だけは守れる気がする。
天国にいる私と、
今、そこにいるお姉ちゃん。
どちらも幸せになれないことはない。
私たちは、唯一無二の家族。
これから、
私はお姉ちゃんのココロの中で生きるよ。
じゃあ、また逢おうね、私の大切なお姉ちゃん。
----------可純------------
その手紙と一緒に、写真が一枚入っていた。
それは、家族4人の思い出の写真...。
ありがとう...、ありがとう...ッ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオイ | 作成日時：2016年9月14日 16時
