【実況者】花人狼-ﾊﾅｼﾞﾝﾛｳ-

戦場 ページ18

レト「ズズさん！？」

その姿に目を見開いたレトルトが駆け寄る。

一方ヒラは震えたままで。

ズズ「レト、ルト……さ、っ

く、……きょ、って……げほっ」

レト「落ち着いて！待って、まず血を」

はぁはぁと荒い息遣いで何かを訴えるズズ。

足はしっかりと地面を踏んでおらず、意識が朦朧としているようだ。

シロ「誰にやられたのですか」

まるで邪魔者を見るような眼でズズを睨み、ため息交じりで問いかける。

ズズ「ぁ……

き……よ、さ」

レト「キヨく……っ!?

そんな、まさか」

ヒラ「ほんとだよ」

耳を、疑った。

さっきの怯えていたヒラとは別人のような声。

シロロの様な。

冷たく鋭い＿＿＿＿＿＿＿＿

ヒラ「ふふ。

驚いた？猫被るのって面倒だね

あー、疲れた。騙されてくれてありがと、素直なレトさん」

人差し指を立てて唇に寄せ、クスクスと笑う。

ヒラ「キヨってば、この前色々あってフジと喧嘩しちゃってさ、

動画ではヘラヘラ笑ってたけど裏ではずっとイライラしてたんだよね」

レト「まさか、それが原因……？」

ヒラ「うん、ただのストレス発散。

何かで刺されたっぽいしね、ズズさん？」

ズズ「は……っ

包丁、で」

血よ止まれという風に傷に手を押さえつけ

苦しそうに呼吸をするズズ。

レト「そんな……

キヨくん……。」

絶望した、という言葉が一番似合うだろうか。

顔色が青ざめ、がくんと崩れ落ちた。

ヒラ「あっはははは！

その顔大っ好き!!レトさん最高!」

奇妙な笑い声をあげ、辺りは最悪に包まれた。

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