【実況者】花人狼-ﾊﾅｼﾞﾝﾛｳ-

命の重みとは ページ16

しろ「なーんちゃって！」

けろっと元の笑顔に戻り、にこにことしているしろろ。

それと正反対に、二人は眉を垂れ下げていた。

なんだ、こいつは。

レト「はぁ、心臓に悪いわー……」

溜息をつきながら胸に手を当てるレトルト。

その仕草を見てヒラは

ヒラ「ほんと、びっくりした」

くすりと笑った。

先程まで泣き叫んでいた人とは思えない様に。









「くっ……ふふふ、あっははははは……」

突然響いた、不気味な笑い声。

その声の主は

ヒラ「……っフジ……？」

フジ「随分と楽しそうだね、ヒラ。

こんな状況なのにねぇ……

それだから、……緊張感が無いから殺されかけるんだよ。」

レト「なんでそれを知ってるんや！？」

フジ「見てたに決まってるでしょ。

コジマ店員について行ったんだよ。」

ヒラ「……なら、見たんじゃないの？

……こーすけが怪我するところ」

フジ「勿論、見たよ。

寡黙だったし、しょうがないよね。

狙われることしてないし、村人Aって感じかな？」

レト「こーすけさんは……

違うんだ、違う。

使命を果たすために……」

フジ「は？

使命？……ああ、そこの餓鬼が言ってたやつか」

しろ「……」

ヒラ「フジにも使命があるんだよ！

だからそれを」

フジ「使命なんてくだらねぇ

それは一つの道具にすぎねえよ。

こーすけだって情報提供しなければずっと生きていけたのに。

馬鹿かよ」

フジが鼻で笑った瞬間、レトルトの何かが切れた。

レト「馬鹿とは何だ！！

こーすけさんは命と引き換えに情報をくれたんだ！

それを、馬鹿にして、……っ

こーすけさんは」

シロ「レトルトさん、冷静に」

シロロの唐突の発言に、三人は目を丸くした。

シロ「フジさんにもヒラさんにもレトルトさんにも使命があります。

それは一人ひとりの命に関わること。

花伝達や情報提供者もそうです。

頭を冷やし、よくお考えください。

自分の命が惜しければ。」

シロロの子供の輝かしい笑顔は消え、鋭い目つきになっていた。

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