おそろい *リクヲ ページ30
「…うお」
見えない。彼のレンズをかけて私は簡潔にそう呟いた
ぼやけた世界に映る君と、眼鏡のふちのみが視界に入る
りっくんも眼鏡が取られて見えないらしくA−?と情けない声を上げている
「りっくんこれなーんにも見えないよ?」
私は目がいい方なので見えないのも仕方ないと言ったところ
「A…目、悪くなるから外しなよ」
彼は私の言葉に対する返答ではないことを口にした
私はわざとではないが、彼の言葉に対する返答を返さなかった
「眼鏡似合わないってよく言われるんだよね。…どう?」
私は首を傾げる
彼はんー?と声を上げながら私を見やる
私は精一杯笑って見せるがそんなむなしい努力も空回りする
「…見慣れてないからかな?」
「いっそ似合わないって言ってばか」
似合わないのは知ってるのだ。言われ慣れてるから
そう言うと彼はあはは、といつもの様に優しく笑う
そろそろ目も疲れて来たと、私は眼鏡を外す
「眼鏡はまだまだ慣れませんなぁ」
へらっと笑って彼に眼鏡を返すと彼はすぐに眼鏡をかけなおす
「僕も慣れるのに時間かかったなぁ」
あ、見える見える。とまた笑う彼に
「私も伊達眼鏡買おうかなー…。おそろいみたいな?」
やらないけど!なんて付け加えて笑うと彼も笑って言う
なんてことない日常的会話さえ幸せに感じる今日この頃だ
「いいんじゃない?おそろい」
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そーにゃ(プロフ) - あやもちさん» コメントありがとうございます!短編なのに話が繋がってしまっていいか不安でしたがそう言ってもらえると嬉しいです!こちらこそ最後までお読みいただきありがとうございました!! (2017年8月1日 11時) (レス) id: d0b511bd78 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(プロフ) - 素晴らしいエンドでしたサイコーです(早口)←ありがとうございました(*´∀`)♪ (2017年8月1日 2時) (レス) id: 6e3c6d7283 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - 三谷さん» コメントありがとうございます!短編集でありながら最後の話まで繋げると言うのも一つのテーマでした。気づいてくれて嬉しいです!そう言ってくれると嬉しいです!また機会がありましたら小説を書いていこうと思いますのでまたどこかでお会いしましょう! (2017年5月14日 23時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
三谷(プロフ) - 毎回読むのがすごく楽しみでした!最後の結婚の話まで全部繋がってたんだなぁと思うとすごくキュンキュンします!またそーにゃさんのアバンティーズの小説を読めるのを楽しみにしています(´∀`*) (2017年5月13日 23時) (レス) id: f63b48d130 (このIDを非表示/違反報告)
そーにゃ(プロフ) - みなみさん» リクエストありがとうございました。喜んでもらえて良かったです。また何かリクエストがありましたらよろしくお願いします!今後とも短編集をよろしくお願いします! (2017年4月28日 20時) (レス) id: 794bc085aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そーにゃ | 作者ホームページ:http://puchiamatheater
作成日時:2017年4月2日 3時