泥姫の傷共有 【赤髪の白雪姫】

4　オビ ページ5

走って通路を渡る

　少し血が腕を伝った

　と、ちょうど曲がり角に差し掛かったところで

　目の前が暗くなる

　…どうやらだれかにぶつかったようだ

ミ)A様？

貴)…ミツヒデ？

　顔を上げずに問うと彼はそうですよ、と呟いた

　私はバッとミツヒデから離れた

貴)ミツヒデ!!ゼンにいはどちらに!!

ゼ)…後ろだ

　……あっ

　そこには少し怒っているゼンにいがいた

貴)…ぜ、ゼンにいが小さいのではありません!ミツヒデが!

ゼ)もはやフォローも虚しいな

貴)み、ミツヒデッ!!

ミ)お、オレのせいなのですか!?

　そんな姿を見て冷めた目を向ける木々を見て目的を思い出した

貴)ぜ、ゼンにい…実はですね

　あなたの従者を傷つけた。と内容を伝える前に

　私の後ろから声が聞こえた

？)主ー!!

　ゼンにいを見ると、少し呆れた顔を浮かべていた

　…あ、傷バレてる

ゼ)…またやったのかA？

？)主ーお姫さんは悪くないっすよ!

貴)私が彼を怪しんで傷つけてしまって!!謝りにきたの!

　そう語ると、ますますゼンにいは呆れた表情を浮かべた

　そして、まず。と呟いた

ゼ)オビ。お前は怪しまれるような恰好で城内をうろつくな

オ)顔隠れてると落ち着くんですよ主

ゼ)知るか

　オビ

　彼の名前はオビと言うらしい

　しかし、へぇ、とも言わせる時間なくゼンはこちらを振り返った

ゼ)それから。Aは自分を傷つけるな

貴)こ、今回は本当に私が悪かったのよ!!

ゼ)…毎回思うが、お前は傷を負っている相手より深く傷をつけるな？それにお前は王女だろ…。自分を大切にしろ

　…王女だから大切にしなくちゃいけないとか

　ちょっと意味わからない

　……いつものことだけど、さ

　
(…で、何でお前がオビを傷つけるようなことになったんだ？)

(お姫さんが木登りしようとしてて…)

(また抜け出すつもりだったのか？)

(…ゼンに言われたくないと思うね)

(木々は黙ってろ!!)

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