泥姫の傷共有 【赤髪の白雪姫】

2　暇しない毎日が来る ページ3

切られたところからは、赤い血が流れている

　どうやら本気で避けなかったらしい

貴)ど…うして

　切られたというのに彼は軽く笑って

？)これが手っ取り早く信じてもらえるかと思って

　と言う

　私は小さく嗚咽を漏らした

貴)ごっごめんなさい!!どっちにせよ避けなさいよバカ!!く、薬!あ、私治療できないわ…ってその前に

　自分の持っていたナイフで彼と同じところを傷つけた

　血が出る

　地面を濡らした

・

　は？

　気づくと彼女はオレと同じ場所に傷を作った

　おそらくオレよりも深い

オ)…お嬢さん。しょーしんしょーめーの馬鹿？

　本気で驚いてそういうと

　彼女は、そっか、初めましてだもんね。と意味深な言葉を呟いた

貴)傷の共有が。一番人を理解するのに手っ取り早いでしょ？

　どうやら本気で言ってるらしい
　
　本物の馬鹿だ

　なんでこんなことするのか。よく分らない

　分からない、けど

　この時彼女に興味が湧いたのも事実だ

オ)へぇ…じゃあ、いまのオレの気持ちは？

貴)早く治療しろ。

オ)…それ自分の気持ち言ってない？

貴)…よ、よくお分かりで

　ちょっと慌てたけど

　すっごく面白い奴だ

　
オレが先のことを考え笑っていると、思い出した様に彼女は慌てだした

貴)って、それどころじゃない!!し、室長!!室長のところに行くわよ!!

彼女はオレを引っ張って走り出した。

(お嬢さん、傷、おそろいだね)

(そ、そんなこと言ってる場合じゃないわよ!!)

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