病弱じゃんぷ一家の物語 Part 1

嘔吐恐怖症の雄也 3 ページ44

宏太side







朝、なんか嫌な予感がして、リビングに降りたら、真っ青な顔して、冷や汗をかきながら、息を荒くした雄也がソファに横になっていた。








んで、今までの経験から、「あぁ、雄也、戻しそうなんだけど、怖くて戻せないんだな」ってすぐに気づいた。








俺は嘔吐恐怖症じゃないから、戻すことの何が怖いのか、よく分からない。そりゃ、気持ち悪いし、苦しいし、しんどいし、辛いし…戻すことは『嫌』だけど、『怖い』っていう感情はないからね。








でも、雄也が嘔吐恐怖症で苦しんでるのは知ってる。
だから俺がサポートしてあげないと。









宏太「ゆーやぁ、大丈夫か？しんどいねぇ。大丈夫だよ。大丈夫大丈夫。」









こういうときは、「吐いていいよ」とか「我慢しなくていいよ」とか、そういう言葉は通用しない。





ただただ、「大丈夫だよ」って声をかけてやることが雄也には効果あり。




とにかく、「無理に戻さなくてもいいよ。でも、もし戻しちゃっても大丈夫だからね」って言うことを伝えるのがいい。









１時間くらい、雄也の背中をさすってたらようやく落ち着いてきたみたい。






宏太「雄也？大丈夫か？急に気持ち悪くなったの？」



雄也「ちがっ…朝起きたらお腹痛くて、何回か水みたいな下痢しちゃって。ソファで横になっていたらだんだんムカムカしちゃって、怖くなった…」





宏太「そっかそっか。よく頑張ったな。






んー…ノロウイルスとかかなぁ…」







雄也「え？ノ…ロ…？」






宏太「大丈夫だよ？ちゃんと吐き気止めを入れてもらうからね。だから、病院行こっか」






雄也「うん…宏太、ごめん」

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