検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:938 hit

はっきり言ってよ 『冨岡義勇』 ページ1

わからない。何を考えてるのか、どんな気持ちなのか。そもそも、私のことほんとに好きなの?
頭を悩ませるのは、恋人のこと。冨岡義勇。私の通う高校の先生で、恋人。
わりと口下手、表情があんまり変わらない。心の内なんか100年経ってもわかるようになるのか怪しい。100年も 経ったら、私この世にいないな。それまでに、わかるようになってるといい。
そもそも、そんなに長続きするのかも謎だけど。


待ちに待った土曜日、午前9時から先生の家に押し掛けた。インターホンを鳴らして数十秒待つと、まさに今起きたばかりです、と言わんばかりの眠そうな顔をした先生が出てきた。
予想外の訪問に、先生は驚いたようだ。ほんとは、明日会う予定だったから。
先生が何か言う前に、ドアの隙間から遠慮なく玄関へと体を滑り込ませる。後ろ手にドアを閉めて、先生の手を掴んでリビングに向かった。
「会うのは、明日だろう・・・・・」
「そうですけど、聞きたいことがあったんで来ました。」
だんだん目が覚めて意識がすっきりしてきたらしい先生は私にソファに座るように言ってココアを淹れてくれた。お気遣いどうも。でも、私ココア飲みに来たんじゃない。本題に入りたくてしょうがない。
「聞きたいことがあるんですけど、完全に目覚めてます?」
「覚めた。Aがインターホンを鳴らしたから。」
朝早くからすいませんね、と隣に座る先生に軽めの謝罪をして前置きは終了する。本題だ。
「先生、ほんとに私のこと好きなの?」
「・・・・・・・・は?」
率直に聞いた私に、先生は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。寝てるの起こされ、家に遠慮なく上がり込んでこんな質問を朝からぶつけられたから当然か。
「先生、私といてもあんまり表情変わらないし、好きとか言ってくれないし。あ、私先生のことあんまりよく知ってないかも。ねぇ、私のことほんとに好きなの?」
先生は黙ったままだ。なんて言おうか考えてるのか、鬱陶しくなったのかどっちだろう。後者はやだな。
ああ、朝っぱらからこんな事聞くんじゃなかった。後悔しても、時すでに遅しだ。もう言っちゃったし。
「ご、ごめんなさい、朝からこんな・・・・・帰ります!」
もうダメだ、この空気に耐えれない。逃げるは恥だが役に立つ。戦略的撤退だ。
「待て」

2→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 洋楽
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リンゴ - 題名に一目惚れして来ちゃいました!更新頑張れ〜〜〜(≧∇≦) (2019年8月23日 14時) (レス) id: fa8cdcdbb1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くろねっか | 作成日時:2019年7月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。