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どうしよう、と混乱してきて思考がまとまらなくなった理央は、とっさに親友に電話をかけた。震える指でスマホの画面をタップする。なかなか出ないことにまた焦って変な汗が流れ出した。
『はいはーい、理央ちゃん?どうしたのかな?』
「助けてっ!緊急事態!ああもうどうしよう!?どうすればいい?」
「なーに?理央ちゃん、主語がないよ?そんなに焦っちゃってどうしたのかな?」
切羽詰まってまくし立てる理央とは対照的にいつも通りなリリアに事の全てを説明する。『ふーん、そっかぁ・・・・』とリリアは少し黙ってから、理央が一番気にしていたことを聞いた。
『その拳銃、ボディは金属だったりする?』
「う、ん。金属だと思う、けど」
『あー、そっかぁ。理央ちゃん、落ち着いて聞いてね?』
「無理」
『だよねぇ。まあしょーがないかぁ。あのね?日本ではモデルガンのボディに金属は使っちゃダメなんだよ。プラスチックなの。偽物ならねぇ』
「・・・・って、ことは」
『本物だねぇ、それ』
あはは、とリリアが電話口で軽く笑った。理央はちっとも笑えなかった。
「ど、どうすればいい?」
『んー・・・どうしようねぇ・・・・・って、わっ、だめだよ、電話中だって―――えええ、今から?』
「ちょっ、なに?」
『ごめんね、今から出かけなきゃいけなくなっちゃってさぁ・・・・』
また後でかけるね、と言う言葉を最後に通話が終了した。呆然として、拳銃へと視線を落とす。本物、なんだろうか。急に怖くなって床に置くことにした。震える手では落としてしまいそうだったのだ。
ベッドで眠る男子へと視線を移す。危ない人なんだろうか。今すぐに起こして事情を聞いて帰ってもらう方がいいかもしれない。いや、それが最善策だと理央は男子の肩をゆすろうと手を伸ばした。
瞬間、がさ、と男が身じろぎをした。その直後に、腕をつかまれてベッドに引きずり倒される。
「ひゃっ」
視界が反転してベッドに押さえつけられた。目の前には、さっきまで眠っていた彼の顔。寝起きには見えない顔には敵意がありありと浮かんでいる。

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シルム(プロフ) - とても面白いです。私は一つの道具に対しての説明が甘くて何について話しているのか分からなかったりするので、とても参考になりました。これからも頑張ってください。 (2020年4月18日 18時) (レス) id: c59b66055e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フロランタン | 作成日時:2019年2月19日 20時

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