テスラの実験室 (ページ3)

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テスラ｢問答無用！それにさ！その真っ黒なくま！絶対よく寝れてないんでしょ！今回の発明品は(一種の)快眠グッズだからさ！ということで！夜にグスタフの部屋にお邪魔させていただきまーす！じゃあね！｣
丁度カップケーキを食べ終わり、グスタフが第2の反対の言葉を述べそうだったので急いでリビングにを出た。

夜
グスタフ「なぁ…ホントにやんのか？」

テスラ｢当たり前じゃん！それに、幸せな夢を見て損なんてないでしょ？｣
グスタフの怖い夢は尋常じゃないと忠臣に聞いたことあったからちょっと心残りあるけど幸せな夢という設定にした。

テスラ｢それにこれは、絶対誰でも熟睡する機能もあるし！ね！だからやろ！｣

グスタフ「む…」

テスラ｢はいっ！これを頭に被せるだけ！｣

グスタフ「このえらいでけぇヘルメットみたいなのを？冗談だろ？こんなん付けてて眠れねぇよ。」

テスラ｢大丈夫大丈夫！ていうか付けなきゃ始まんないしさ｣
いいからいいからと、無理やりグスタフの頭に被せる。スイッチを入れるとｳｨｰﾝと微かに音がした。
良かった。無事に動いたっぽいね。

テスラ｢じゃあね！グスタフ！おやすみ！朝に感想聞かせてね～｣

グスタフ「あぁ…」
最後に聞こえたグスタフの声は既に眠気を含んでいた。

グスタフside
その部屋に早く行きたいとばかりにいそいそと足を動かす。毎日の実験だらけの生活の中での唯一の楽しみ。今日はアンジュに会える日だ！

ｶﾞﾁｬ

「アンジュ！おはよう！」

「おはようグスタフ。」
彼女は優しい顔で微笑む。

「ねぇ！アンジュ聞いて！僕ね、文字が書けるようになったんだよ！」

「凄いじゃないグスタフ！きっと努力家なのね！じゃあ今日は私とトランプをしましょ。」
そう言って目の前にトランプのカードをチラつかせる。

「うん！」
アンジュは研究員の人と違ってとっても優しい。この人に会うために頑張っている。けど、この時間も終わりが来てしまう。そうしたら…あぁ。永遠にここに居られたら…

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
グスタフ「はっ！」
テスラの発明品を被って寝ていた。
一瞬ここを研究所と勘違いしてしまいそうな程リアルな夢だった。だが、夢はどこまで行っても夢だ。もう二度とあんな幸福な時間を過ごすことは無い。もう一度同じようにアンジュと遊んだとして、あんな純粋な自分はもう居ない。俺は兵器でアンジュは部下。前のように実験が終わったら苦しみや痛みが終わる訳ではない。

現実に、引き戻された。