五十五話 ページ8
そう考えれば合点がいく。オールマイトが緑谷出久を贔屓にしている理由も。緑谷出久がこの年になって個性が発症した理由も。オールマイトの活動が最近少ないのも。
全部、緑谷出久に個性を渡したから。
少し間があってから、話が続く。
オ「ワン・フォー・オールは元々ある一つの個性から派生したものだ。オール・フォー・ワン、他者から個性を「奪い」己がものとし、そしてソレを他者に「与える」ことのできる個性だ」
…チートだろ。
デ「オール、皆は一人の為？」
皆は一人の為に。一人は皆の為に。
まさに闇と光。
オ「これは超常黎明期、社会がまだ変化に対応しきれてない頃の話になる。かつて突如として人間という規格が崩れ去った。たったそれだけで法は意味を失い、文明が歩みを止めた、まさに「荒廃」」
でも其れより昔から、異能力者はいたんだよ。
緑「「超常が起きなければ今頃人類は恒星間旅行を楽しんでただろう」、昔の偉い人も言ってます」
異能力の存在は知られていなかった。
オ「そう、そんな混沌の時代にあって一早く人々をまとめ上げた人物がいた。君も聞いたことはあるハズだ。彼は人々から個性を奪い、圧倒的な力によってその勢力を拡げていった。計画的に人を動かし思うままに悪行を積んでいった彼は、瞬く間に悪の支配者として日本に君臨した」
昔から、悪の支配者は異能力者だ。
オ「ネットとかでは噂話をよく見ますけど。創作じゃないんですか？教科書にも載ってないですし」
異能力者も噂話だ。
オ「ヤクザの所業を教科書には載せんだろうよ、力を持っていると人は使える場を求めるから」
緑「その話がワン・フォー・オールにどうつながってくるんですか？」
オ「オール・フォー・ワンは「与える」個性でもあると言ったろ。彼は与えることで信頼、あるいは屈服させていったんだ。ただ、与えられた人の中にはその負荷に耐えられず物言わぬ人形のようになってしまう者も多かったそうだ。ちょうど脳無のように、ね」
…似ているね。全てが全て、異能力者と闇社会の人間に。
もしかして、異能力者と一般人のパワーバランスが崩れたのは、オール・フォー・ワンが原因なのか。
異能力者が日陰者なのも。
蔑まれるのも。
オール・フォー・ワンが今の社会を作ってしまったからでは無いのか。
ならば、私達の、いや、私の敵は、オール・フォー・ワンなのか。
私は、異能力者である事が悔しいのだ。
私は、普通になりたかった。
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野原の出雲 - ｽｳｩｩｩｩｩ……大好きだよーーー！！！！！ (2022年6月6日 18時) (
レス) @page15 id: 687113cbb2 (このIDを非表示/違反報告)
埜(元Non)(プロフ) - 作者さんの書きやすい方でいいと思います！片方は今書かないで時間のある時に少しずつ内容を練っていけばいいと思います(*^^*) (2022年2月19日 22時) (レス) @page5 id: c81982e166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青木星 | 作成日時：2022年2月12日 17時
