六十三話 ページ16
瓦礫が落ちてくる寸前に、緑谷と、爆豪を回収して反対側のビルの安全な場所に移動させる。瓦礫が地面に落ちて、同時に市街地に轟いた爆音。
土埃が舞い、オールマイトから視界を奪う。爆豪が大声を出そうとしたので、手で口を塞いだ。小声で二人の耳に口を近づけて言う。
『取り敢えず此処から離れるよ。喧嘩したいなら、此処を離れてから。』
爆豪は舌打ちをして、緑谷は頷いた。私が屋上から飛び降り、ビルの間を縫って出来る限りオールマイトから離れる。二人は私に大人しく着いてきてくれた。
『此処ら辺でいいか。』
ビルの間の、光がほぼ入らないような薄暗い路地まで来て、後ろを振り向く。二人の顔を見れば途端に爆豪の怒声が飛ぶ。
爆「おい、どう言うつもりだ！」
路地裏に響き渡る声に思わず顔を顰めた。
『一旦落ち着いて欲しかっただけだよ。あのままだと、埒があかないからな。』
『其れに、作戦を立ててからじゃないと、ゲームオーバになるぞ』
私の紡ぐ言葉に、緑谷は俯いて唇を噛み締めて、爆豪は、今来た道を戻ろうとしていた。
『……戻るの？何か策でもあるのか？』
爆「……俺が特攻、お前らがサポート。」
おい。
『……其れは作戦なの？』
私はツッコミを入れる。爆豪は、此方を振り向いて、手につけてあったものを投げて寄越した。
爆「…二度は言わねぇぞ、クソナード。あのバカみてえなスピード相手じゃどう逃げ隠れても戦闘は避けられんねえ」
先刻より幾分か落ち着いている声。それに緑谷が応える。
緑「でも戦いになんてならないよ、あのオールマイト相手に」
爆「てめェ黙ってろ、ブッ飛ばすぞ。半端な威力がビクともしねえのはさっきの連打でわかった。じゃあ、ゼロ距離で最大威力だ。ダメージを与えつつ距離を取る唯一の手段」
目を吊り上げて言う彼にため息を一つ吐いて、緑谷に投げてよこされた手榴弾型の籠手を渡す。
『私より緑谷の方が上手く使えるでしょ。後はよろしく。其れに私はサポート苦手だし。』
私は、単独で任務を行うことが多い。まぁ、異能力が万能なためサポートが要らないというだけだが。そしてそれ故に誰かのサポートをしたこともない。
……いや、一度だけあったな。
そんなことを考えながら、爆豪の跡を追う。オールマイトが道に佇んでいるのを見て爆豪が奇襲をかけた。
辺りに響く、鼓膜が破れるような爆発音。それでも平和の象徴は倒れない。
爆「どこぉ見てんだあ！？」
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野原の出雲 - ｽｳｩｩｩｩｩ……大好きだよーーー！！！！！ (2022年6月6日 18時) (
レス) @page15 id: 687113cbb2 (このIDを非表示/違反報告)
埜(元Non)(プロフ) - 作者さんの書きやすい方でいいと思います！片方は今書かないで時間のある時に少しずつ内容を練っていけばいいと思います(*^^*) (2022年2月19日 22時) (レス) @page5 id: c81982e166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青木星 | 作成日時：2022年2月12日 17時
