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22話(過去)〜千side〜 ページ23

お風呂からあがると、白米と肉じゃが。それから玉子の味噌汁が机の上にあった。

正直、空腹かわからない。
万の妹が作ったらしいけど、食べるくらいなら作曲したい。


「……あの、お腹空いてないなら片付けますから……」

「……食べるよ」


いっこうに座らない僕を気遣うようにそう言った彼女の顔は、なんとなく怒ってるような気がした。

あまり肉は好かない。
でも、一口くらいの量を箸で取ったらついてきた。
仕方なく、口に運ぶ。


「……A、だっけ?」

「はい」

「……美味しいよ」

「!」


本当に。
なんだろう。ちょうどいい。

この子の作るご飯は、こんなに美味しいのか。
味噌汁も辛すぎない。
玉子がちょうどいい甘さで、味噌の辛さを和らげている。


「……お前、俺の妹を取るなよ」

「なんで?」

「滅多に微笑まないのに微笑んでいたから」

「そう?」

「兄さん、箸で人を指さないで」


頬が、緩んでいたのか。
……万の、妹。

かわいい子だ。同い年かな?
あ、中学生だっけ?

……彼氏、いるのかな。

……あれ?
なんで、今……?


……曲。褒めてくれた時の顔、すごくかわいかった。
また、笑ってくれるかな?


……もしかして、あれが一目惚れ……?
……わからないや。





……ああ、でも。
多分、この子は、僕を全部受け止めてくれる。
ご飯、美味しいし。

……お嫁さんにするなら、この子がいいな。
……だからかな。


この子には、ちゃんと名前で呼ばれたい。

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作者名:通りすがり | 作成日時:2019年7月8日 9時

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