第弍話:哀れな鬼 ページ2
華扇が送られてきたのは、夜の山の中だ。
鬼の力の大部分が、切断された右腕に集まり、ほとんど鬼の力を失っている華扇でもわかるほど
この山からは禍々しい気配が漂っている。
(この山に?・・・多くの気配の中にひとつだけ強い気配がありますが・・・
親玉にしては気配が弱すぎるような・・・)
ザザッ・・・
鬼「ケケッ・・お前人間だな。」
華扇の目の前に現れたものは、以前幻想郷で発生した鬼の特徴と一致した。
『はぁ、まぁ一応(“仙”人ですけどね)ところで何の用ですか?鬼擬きさん』
鬼「あ゛、鬼擬きィ?まぁいいさ、どのみちお前は、オレに・・・喰われるんだからナぁぁァア!!!」
鬼が華扇に襲い掛かろうとした時、華扇は包帯に包まれた右腕を後ろに引き、構えをとった。
『包符「義椀プロテウス」』
そう華扇が右腕を前に突き出すと、包帯が剥がれて増殖し、鬼を包み込んだ。
鬼「な、なん・・・」
包帯に包まれた鬼が言葉を発しようとした時、「ゴキッ!」「ブチッ!」
など何かが折れたり、ちぎれたりするような音が辺りに響き渡る。
鬼はすでに言葉を発していなかった。
『どうやら修復不可能まで潰せば倒せるようですね。先を急ぎましょう。』
華扇の足元には先ほどまで鬼だったものが散らばっていた。
わずかに動いてはいるが、もう元に戻ることはない。
強い反応を頼りに華扇は歩き出した。
・・・華扇が去った後
一人の鬼殺隊士がその惨状を見た。
表面上は笑顔を貼り付けているが、その心情は
この光景に愕然としていた。
?(ッ!?・・まだ死んでいない、ですが回復はもはや不可能の域です。
放っておいても朝が来れば死ぬでしょう。・・・問題は誰がやったということです。)
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廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (2022年10月10日 17時) (レス) @page3 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NATI | 作者ホームページ:http://uranai.nati
作成日時:2022年8月9日 19時