彼氏が私を好きすぎている件。【fw】

story17◇ ページ18

「いちについてよーい……ﾊﾟｧｯﾝ」



ｷｬｰ！！！
ｶﾞﾝﾊﾞﾚー！！
ﾌｧｲﾄー！！




周りがいつもより騒がしくなる。私は最後から二番目。アンカーの朝日くんにバトンを渡すのが私の役目。なのだけれど…



痛い！緊張でお腹が痛い！！みんなの視線が怖いしさっきから胃がキリキリ言ってるし…待って吐く…。




《A組、リードしています》




アナウンスの声に私は意識を取り戻した。もう少しで私だ！



1人、2人、3人……。




来た！




姿勢を作ってバトンを手に取る。足を前に出したその時、





ｽｯ…






「え」





ﾄﾞｽﾝｯ





《A組、転んでしまいました。おっとここでB組が追いついてきています》





今、足かけられた？理解が追いつかず転んだまま、
負ける。そう思って私は立ち上がった。多分血が出ているだろうけどそんなの気にしない！



何とか走る。

B組には抜かれたけどこの距離ならまだいける。



頑張ってスピードを上げると





ｽﾞｷｯ





「うっ…！」




足に痛みが広がった。あまりの痛さにスピードが落ちる。そして立つことすらできずその場に座ってしまった。あとちょっとなのに…。




「A！」

「Aちゃん！」



真菜も異変に気づいたのか声を上げ、朝日くんもこっちに向かってくる。だめ。私が頑張らないと。




そう思って立ち上がろうとすると






「Aちゃん」







好きな人の声が聞こえた。

story18◇→←story16◇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す