story27◇ ページ28
「先輩、別れましょう」
「え、なん、で…」
雨が強まっていく。雨の音なんてうるさいのにやけに静かに感じる。ここの空間だけ時が止まったみたい。
「そもそも私先輩のこと好きじゃなかったんです。告白だってその場の圧で無理やりOKしたみたいなもんだし、ずっと別れたかったです」
「え、でも毎日俺に会ってくれたし」
「あれは！せめて彼女の役目を果たそうって義務みたいものだったんですよ。私は、私は…」
「最初から先輩のこと彼氏なんて思ってませんでした！」
そこで自分の言ったことにハッとする。先輩の方を見ると雨なのか涙なのか顔から水が流れ落ちた。
私はどうすることも出来ず横を通り過ぎる。
「先輩は、ゆゆ先輩といたらいいじゃないですか。どうせ私の事好きじゃなかったんでしょ？…じゃあ」
これで、お別れ。自分の望んだことだった。
これで…良かったんだ。
――――――――――
「38度…まあ、そうだよね」
次の日、あれだけ雨に打たれたのだから風邪をひかないわけはなく、ただいまベットの中で苦しみ中。
「うわ、色んな人から連絡入ってる」
真菜やこの前交換した唐辛子先輩、黛先輩、甲斐田先輩から通知がたくさん。特に唐辛子先輩。LI〇Eでもうるさいってどゆこと？
スマホをじっとみても不破と書かれたアイコンからは通知のマークはなかった。
「そうだよねぇ。もうただの先輩後輩。もっと広がると赤の他人なんだから」
それでもどこか穴が空いたように感じる。いやいや、これで自由！熱だけど漫画読んでやる！！
意気込んで本棚から漫画をとる。あ、ダメだこれ。気持ち悪っ。
大人しく寝ようと布団に潜り直すと昨日のことがフラッシュバックする。
ゆゆ先輩、やっぱり既に付き合ってたのかぁ。まあ、そっか、こんな私に告白なんて人類が私以外滅ぶ限りありえないか。
生チュー凄かったな。私には無縁だ。そういえば今まで手を繋いだこと以外何もしなかったよね。キスとか口じゃなくてもほっぺとか。
そうだ新しく出来た遊園地とか先輩と行ったら……いやいや！何考えてんただ！
あーこれあれだね。熱で頭回らないや。
「もう寝て、忘れよう…全部」
早く治して先輩と関わることのなかった当たり前の日々に戻ろう。
私は静かに目を閉じた。
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ゆーは - 完結おめでとうございます！めっちゃよかったです。続編待ってます(°▽°) (2023年3月21日 17時) (
レス) @page36 id: e1afcccd94 (このIDを非表示/違反報告)
はくと(プロフ) - 暖かいコメントありがとうございます。現在執筆中ですがモチベにして頑張ろうと思います( ˇωˇ ) (2023年3月19日 22時) (レス) id: fda9558e0e (このIDを非表示/違反報告)
侏儒(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！やっぱ一番心に残っているのは"ぽえ"ですかね…((( (2023年3月19日 12時) (レス) @page36 id: ea70dcd67b (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 完結おめでとうございます!!面白さもあったり、fwがかっこよかったりして最高でした😖続編読みたいです!待ってます！ (2023年3月19日 10時) (レス) @page36 id: c2285ccc3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はくと | 作成日時：2023年3月17日 19時
