バイト先の教育係【ころん】

Ｓｔｅｐ30 ページ32

意気揚々と、指導する気満々で腕を組む先輩。



「よーし。まずは接客態度から指導するかぁー」

「は？何言ってんの？レジ打ちが先だろ。レジ打ち覚えんの少し大変じゃん。先にやった方がいいだろ。考えなしやなお前」

『言い過ぎでしょ…』

「はぁ！？さとみ君こそ考えなしだよ！！接客態度なめてんの！？接客態度で店の評判が変わるんだぞ！！」

『まぁ確かに…』

「いや、レジを素早く打つ事だって立派な接客だろ。お客さんを待たせないようにすることでだって、店の評判変わるでしょ」

『あー、なるほど』

「いやいや、先に一番大事な営業スマイルを鍛えた方がいいでしょ！！え、バカなの？レジ打ちなんて暗記すればいいだけじゃん。スマイルは暗記できませぇ〜〜ん！」

『…w』

「「おい何笑ってんだよ！！」」

『うわっ！？ごめん！！』



(なんで言い合ってたのに、私がちょっと笑っただけでキレるんだよ！)


でもなんだかんだ、ちょっと楽しいかも。



『…で、結局ドッチからにするの？』

「それならもうジャンケンで決めた」

『ほう。先行は？』

「俺」

『先輩負けたんだ…』

「うるせぇよ。早くやれよ！」



はいはい。まったく可愛いくないなぁ〜。聞いたところ、１つの指導を二人で指導してくれるらしい。ありがたや……



「んじゃあ、まずはレジの打ち方と、お金の出し入れの仕方について説明するね。まず____」



こうして、二人の後々口うるさくなる指導が始まった。

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