バイト先の教育係【ころん】

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「おはよう諸君！昨日に続き、今日も早い出勤で悪いね」



はっはっ、と大声で笑う店長。
いや笑ってんの店長だけだから。



「理由を話そう。今日、新しい社員が入ってきたんだ」

『えっ』

「紹介しよう。出てきてくれ」

「はい」



厨房の奥から一人の男性が来た。
そして、注意深く私達を見ながら自己紹介をする。



「今日から一緒に働かせてもらう桃原さとみです。宜しくお願いします」

「ありがとう。桃原君は、食器洗い、注文聞き取り、会計…大いに活躍してくれたまえ。以上！」



イ、イケメンだ…
染めてある髪が整った顔によく似合ってる。少しつり目だからか男らしさがムンムンだ。

って、そんなのどうでもよくて！！



『店長！』

「ん？なんだね栗原君」

『なんであの新人は入ったばっかなのに私よりも仕事の幅が広いんですか！？』

「あぁ、彼はこの手の仕事は手に余るほど経験があるそうだよ。つまり経験者だ。君は経験者かな？」



う…店長意地が悪い…



『見経験者です』

「そういうことだよ。はっはっ！」



ムカつく…あのさとみってやつ…
新人のくせに、私より仕事もらいやがって…


敵意を込めた視線をさとみに送る。
すると、クルッと振り向いてニコッと笑い掛けてきた。



(…はぁっ！？)

挑発してんの！？
周りの女性社員は黄色い声を上げて、どうやら恋に堕ちたそうで。


そんな中、青樹先輩は一人青ざめた顔をして立っていた



『先輩？どうしたの？』

「や…あの新人…桃原さとみ…僕の知人なんだ…」

『へえ！でも、なんでそんな青ざめ…』

「僕の大学の同級生。友達で、それで…」



おぼつかない雰囲気。
先輩、相当焦ってんなぁ



「……僕の彼女奪おうとした人」



『えっ』



「僕が昔付き合ってた彼女、奪おうとしてたんだよ」

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