55話* 歪んだ思考と共感覚 ページ14
前にいる、身動き一つ自由にできない見知らぬ女を、私はチェーンソーで切ってゆく。
彼女は目を覚まし鮮血が吹き出す腕を有り得ないと言った目で見つめた。
腕にあてがって、押して、引いて。
押して引いて押して引いて。
名も知らぬ彼女の絶叫をその場に響かせながら、私は切っている。
そして、その女を愛する男はやめろ、と叫びながら鎖を解こうと足掻く。
…まぁ好きな相手のために出来ることをしたいと思うのは当然だと思う。
どこの誰かも知らない女の右腕がだいぶん切れたので引き千切る。
短く強い、ぶちっ、とした音と女の苦しげな声が耳に入った。
私は男の方へと彼女の腕を放り投げる。
彼は息を飲み首を横に振った。
やめろ、何でこんなことをとブツブツと喋り続ける男にこれはお前のせいなのだと、お前が答えないからだと彼に言い逆の腕に刃を添えた。
そしてまた彼女の腕に深い傷を作る為押して引いてを繰り返す。
鮮血を見る度昔言われた言葉を思い出す。
"何故お前は人の気持ちを考えない"
私は自分の、他人への共感覚が壊滅的だということは自覚している。
だがそれは程度の差こそあれ私に限った話ではないと思うし、私が他人をわからないのと同じように他人も私がわからないのだから当然のことだと思う。
病院に行けばサイコパスやアスペルガー等の何かしらに診断されるかもしれないが、それは別におかしな事ではないだろう。
よって私は自分が別段おかしな人間だとは思わない。
なのに何故おかしいと思われているのか。
そんなことを考えているうちに彼女の腕はぷらんと皮一枚で繋がっている状態となった。
それをまた引きちぎり彼に投げつけた後彼女の首元に手を添え弱々しく動く動脈を確認すると彼女の椅子と彼の鎖を霧に戻し拘束を解き言う。
『彼女はもう死ぬ。』
彼は彼女の腕を抱え上げよろよろと彼女に近づき地面にうつ伏せで転がる彼女を震える手で仰向けに起こし彼は何かを言おうと口を開いたが直ぐに口を閉ざした。
凡そ罪悪感やらで何を話せばいいのかわからないのだろう。
すると彼女が口を開く。
｢…ぃ…だ…｣
｢何！？
何を言おうとしているんだ！？｣
男は食い入るように彼女を見つめる。
そして彼女はカッと目を見開き睨み絶命する直前言った。
｢お 前 の せ い だ｣
それからだ。
男がずっと肉片に謝り続けているのは。
ふむ、そろそろ飽きてきたし現実へと帰るとするか。
パチンと指を鳴らすと視界が霧で覆われた。
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ココア☆遥(プロフ) - トイの口調が安定してないように感じます。お嬢様言葉みたいなのなんとなくわかるんですが、言葉の最後は敬語を入れるか外すかはっきりなさせた方がいいかと。物語性はすごく面白いです！これからも頑張ってください！ (2018年6月10日 13時) (
レス) id: b7e505c8d0 (このIDを非表示/違反報告)
ましろし(プロフ) - とうらぶ沼さん» あざっす！参考にさせていただきますね！名前考えるの大変なので本当助かります…！ (2017年6月28日 1時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
とうらぶ沼 - 暗，殺される人の名前候補です！１．ルビオ＝ザファリ２．フィリディオド＝トーマス３．メアオロ＝スリテナ４．ミディー＝アメストです！ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 0677249b0a (このIDを非表示/違反報告)
とうらぶ沼 - 暗，殺される人の名前候補です！１．ルビオ＝ザファリ２．フィリディオド＝トーマス３．メアオロ＝スリテナ４．ミディー＝アメストです！ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 0677249b0a (このIDを非表示/違反報告)
ましろし(プロフ) - アテナさん» 了解しました！アンケート終わるの忘れてたのでここで投票終了にしようかな。投票有難うございます！ (2017年6月14日 22時) (レス) id: 06f3d584d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ましろし | 作成日時：2017年3月17日 12時
