60.響く電話音 ページ18
.
「立香ちゃんっ！！」
誰かが私の名前を叫んだのが聞こえた。
声から察するに出久かな？
全くもう、何でそこにいるのさ。
と、半分呆れながらも、私は迫り来る鉄拳を前に“個性”を発動させた。
脳無とやらは脳筋の馬鹿みたいだ。それなら、それに見合った英霊がいるじゃない！
よし、力を貸して下さい。
「『フェイト』バーサーカー、土方歳三！」
そう呟き、光に包まれながら脳無の腕を手で受け止めた。そして、そのまま掴み背負い投げをかました。
〈新撰組の力を見せてやれ！！〉
「…っだああ！！」
ドゴォッと言う音と共にそこに大きな凹みが出来、しばらく脳無は動かなくなった。
そして私の髪は波打つショートヘアに、腰にある刀と銃。恐らく左目は黒に染まっているだろう。
めちゃ重かった。腕と背中痛い。
流石、新撰組副隊長殿ですね〜。
〈この程度でやられては新撰組は成り立たない！〉
「…本当に新撰組愛してるんだね」
「何なんだよ…お前…！」
男は手の隙間から見える赤い瞳を大きく見開きながら、私を凝視していた。
そんな彼に刀を手にしながら、私はゆっくりと歩み寄った。
「こいつは…対オールマイト用に用意した奴だぞ！？それを…こんな餓鬼に…！」
「それはそっちの考えが甘かっただけ。それに…こんなのにオールマイトは負けない」
「
忌々しい、と苛立った様に男はガリガリと首を爪で引っ掻いた。
先程から発される『教授』という言葉。
それは一体誰の事を指しているのだろう。教授と言う単語に私は嫌な事しか思い出せない。
まさか、あいつがいる筈ないよね…？
…いや、でも有り得くもないかも。私達が転生しているという事は、その可能性もゼロではないだろうし。
「死柄木弔」
「！」
男…死柄木弔と呼ばれた彼の後ろから、ズズズッと黒いモヤが姿を現した。
死柄木弔…如何にも偽名みたいだなぁ。
もしかして誰かを外に出させてしまい、それを今報告に来たとか？
…って、早く相澤先生を安全な場所に移動させないと！
「黒霧…13号はやったのか」
「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして…一名、逃げられました」
「………は？」
素っ頓狂な声を出した死柄木弔が、長い溜息と共に再び首を引っ掻き出す。
私の考えビンゴ！
ヒーローが来るのも時間の問題だね。
そんな時、プルルルッと鳴る電話音が辺りに響き渡った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 726人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
爆走する点P(プロフ) - 最ッ高です...！ (1月29日 1時) (
レス) @page43 id: 4d9e29c5d6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴(プロフ) - 好きすぎる！(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋更新楽しみに待ってます！応援してます！(*^^*) (2022年1月3日 4時) (レス) @page43 id: 0ea8b0dbfd (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 暁さん» 更新が大変遅れてしまって申し訳ないです！！好きだなんてそんな…嬉しいです^ ^ 今後とも応援お願いします！！ (2020年1月1日 16時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
暁(プロフ) - とっても面白くて好きです！！更新楽しみに待ってます！！！！ (2019年10月22日 4時) (レス) id: 8f6d532d35 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - masyu0816さん» 面白いですか！？本当ですか！？超嬉しいです！気紛れ亀更新ですが、応援の程よろしくお願いします！ (2019年9月15日 11時) (レス) id: f3e12664ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サヒア | 作成日時：2018年5月14日 17時
