3年A組 Part3 (ページ7)

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暇で美術室で絵を描いていたら

ドアが開いて誰かが入ってきた。

甲斐「奏太…」

貴『…甲斐か

どうした？』

美術室いる俺を見て

しかも絵を描いていることに驚いているようだ。

甲斐「顔色悪いぞ」

貴『...別に大した事ない

…何か用事か？』

甲斐「…これ、」

甲斐は、

俺の後ろを見ていた。

貴『…あぁそれな』

それ、とはモニターのことである。

甲斐「…本当にあいつの仲間なのかよ」

貴『…まだそれ言ってるのかよ。

見てれば分かんだろ

仲間だよ』

奥に先生いるのにな、

なんて思いながら、再びキャンバスに目を向けた。

甲斐「…お前、ずっと絵描いてるのか」

貴『いや、暇潰しで描いてるだけだ』

美術室に俺が描いた1つの絵が置いてある。

甲斐は、その後何も喋らず、

窓の外を、眺めていた。

そして、甲斐は、俺に

甲斐「なぁ、1つ聞いていいか？」

貴『なんだ』

甲斐「あの日、俺たちが警察に捕まった時、

お前だけは、その日に直ぐに釈放された

何故だどうしてお前だけ」

その言葉に俺は、

貴『...』

甲斐「さっき教室でもその話が話題になってた」

貴『...』

甲斐「何でお前だけ」

貴『覚えてない』

嘘、本当は、覚えてる。

けど話す理由がない。

まぁ、あの時は、五十嵐さんがね

甲斐「ふざけんな」

貴『...』

柊「何黄昏てんだよ」

先生が、準備室から出てきた。

甲斐「うるせぇ」

柊「早く帰りたいよなぁ
幼い弟と妹が待ってんだろ」

先生がそう言えば、

甲斐は、先生の方を見た。

柊「一応担任だからな。
家族の事情くらい把握してるよ」

家族の事情ねぇ。

甲斐「てめぇ…」

柊「……あっ、」

いきなり、先生が苦しみだした。

貴『柊？』

俺は思わず立ち上がり、

柊の元へ駆け寄った。

でも、柊は、俺の前に手を出した。

“近寄るな”とでも言うように。

柊「はぁ、はぁ……
お互い、背負ってるものは軽くないみたいだな」

柊はそう言って、

再び準備室へと戻って行った。

貴『……やっぱり』

甲斐「…あ？」

貴『..何でもない』

柊は、嘘つきだ。

貴『ちょっと出てくる』

そう言って俺は、美術室を出る。