高専二年生の特級呪術師

弱者に罰を７ ページ25

憂「僕は、真希さんみたいになりたい」

真「‼」

憂太のその言葉は、真希が今までかけられたことのないものだった

かけられたのは、「あんたなんか生まなゃよかった」や、「禪院家の恥め‼」や、「皆真希のみたいになっちゃ駄目よ」等、自分を罵倒し、傷付ける言葉ばかりだったから

『真希はもう、一人の呪術師だかんな。御三家の人間より、ずっといい』

憂「うん。僕は強く、真っ直ぐ生きたいんだ。僕に手伝えることがあったら、なんでも言ってよ。禪院家ブッ壊そー‼なんて……」

ハハハと憂太が笑い、蒼唯も『あっ、私も手伝う‼』と便乗する

真「バーカ、一人でやるから意味があんだよ」

憂「『あ』」

真「部屋戻るわ」

『うんうん。じゃーねー‼』

憂「うん、またね」

パタンと襖がしまる


真「馬鹿か私は。認められた気になってんじゃねーよ」


真希の呟きは教室の中にいる二人には聞こえなかった



夏「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え」



憂「『‼』」


バッと立ち上がった憂太と蒼唯が窓に駆け寄る

憂「高専に“帳”が下りてる‼誰が……どうして⁉」

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