君の手を握って ページ5
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『…大丈夫？』
拓「…ぁ、ああ。大丈夫っす。」
練習中、うまく行かなかったのだろうか。休憩時間に一人外へ出て、階段で座り込んでいた拓実に声をかけると、驚いたように顔を上げた。彼の後をついてきた俺の問いにそう答えると、また顔を下げ黙り込む。
『今のやってるダンスむずいよな。俺もクタクタ。』
拓「…Aくんは上手いからそうは見えませんけど」
拓実の横に遠慮せず座った俺を見向きもせず、下を見つめ続ける拓実がどこか苦しそうで。
俺が困っていた時の奨くんや蓮みたいに何か声をかけてやれたらいいんだけど。そんなことを思ってもオーディション中に拓実とそんなに関わりもなかった俺には難しそうで。まだ少し壁を感じる彼に上手い言葉をかけてやれる自信もなかった。
俺は二人みたいに器用じゃないから、少しでもこの気持ちが伝わればいいと、拓実の右手に左手を重ねた。
拓実はまた整った顔をこちらに向ける。普段はキリッとしていてかっこいい彼の眉が下がっているのをみて、まるで涙を堪えているように見えて、また強く彼の手を握った。
拓「…たまに不安になります。今日みたいに練習上手くいかん日があると、俺全然だめだめやん、って。ファンの人が期待してくれてんのに。デビューさせてもらって、もっと頑張らなあかんのに。」
『…お前それ以上何を頑張るんだよ。実力もあるし、こうやって悩める性格も、向上心も持ってる。今は練習中でファンの人は見てない。たまにはこうやって休まないと、ずっと先のこと考えすぎると疲れるよ』
『…光が照らしてる時だけアイドルになればいいよ。あと、もし歌とダンスがダメダメでもお前はそれが許されるビジュアルを持ってる。クッソイケメンだからちょっとミスっても大丈夫よ』
そんな俺の話をきて、少しした後。「顔関係あります？」と笑いながら言う拓実には笑顔が戻っていて、良かったとホッと息を吐いた。あまり関わってこなかった彼の新しい一面を見た気がして、少し嬉しい。
俺が繋いでいた手をぶらぶらと揺らし始めた拓実はしばらくすると満足したのか、ぎゅっと握り、頭を俺の左肩へ預けた。
彼との距離の近づき方に少し驚いたが、拓実が嬉しそうなのでまぁいいか、と思う。
拓「Aくん、休憩終わるまで、手は離さんでくださいね。」
そう言ってまた嬉しそうに笑った拓実に、いいよ、と返して俺も拓実に頭を預けた。
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ぴの(プロフ) - マナさん» お返事の方遅くなってしまい大変申し訳ございません…！！そう言っていただけて嬉しいです！自分も男主作品を読みたい自己満で書いていたので…笑 ありがとうございます、更新がんばります！ (5月12日 22時) (
レス) id: 05b53bf0a6 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 男主のお話大好きで、JO1 で男主少ないのでありがたいです！お話楽しみにしてます！ (1月11日 12時) (レス) @page6 id: 4a9e06878c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2024年1月9日 0時
