６４ 恋歌 ページ31
*
現状→クロロさんに後ろから抱き締められてる。ベッドの上。顔が近い。本が開かれている。
結果→恥ずかしい。
「お仕置きとはこういうことなのでしょうか……」
クロロ「何のことだ？」
クロロさんはしれっとしてるし……！からかいですね、これは。
クロロ「昔はお前から来てただろう」
「なっ！？それは昔の話ですよ！」
クロロ「オレの膝によじ登ったりな」
「言わなくていいですから！」
あのときは子供だったんですよ私も！盗賊さん盗賊さんって言って抱きついたりなんだりしましたけど、私もう少しで二十歳なっちゃいますからね！？
「もー……、その本何ですか」
表紙を見せてもらうと、『古今和歌集』。
「和歌……はわかりますか？」
クロロ「五、七、五、七、七……で、感情や情景を込めるジャポンの特有文化だよな。だが読むとジャポン固有の感性が多くて、なかなか」
「成る程です。仮名序もありますしね」
古今和歌集の仮名序は有名だけど……『ことわざ繁き』『あはれ』とか、古語が幾つか。
クロロさんは後半を訳してほしいらしく。
「えっと……簡単に言えば、和歌は力も必要とせず、天や地を動かしたり、神や鬼を感動させたりできる。また男女の仲も親しくするし、勇ましい武士を慰めることができるのも和歌なのだ、です」
クロロ「和歌の本質、か」
「はい！流石ですね、クロロさん」
すぐに理解……流石団長。
「私、結構和歌好きなんですよ。古今和歌集は特に」
クロロ「そうなのか」
「はい。一番好きなのは恋歌(こいのうた)です……」
と、言って少し恥ずかしくなった。いきなり何を言い出したんだ私。
クロロ「恋歌……このあたりか」
「……はい」
特にクロロさんは気にしていないみたいですが。
軽く目を通す感じで、ぱらぱらとめくる。
私はページの、ある歌に目をとめた。
「……これ、好きです」
クロロ「？」
もう気にしていないみたいなのでいいかな。
「『人の身も ならはしものを あはずして いざこころみむ 恋ひや死ぬると』」
読み人知らずの歌。私の一番好きな和歌。
クロロ「恋で死ぬのか」
「恋死というんですけど……『人は慣れ次第でどうとでもなるのに。では試してみよう。あなたに逢わずに、恋い焦がれて死ぬかどうかを』が大意」
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いきなり古典ぶっこみました……。古典好きなんですよ……。
大意は私が独自で書いてるので、表現が違ったりすると思います。ご了承ください！
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藤原黎明 - ごめんなさい！コメント気が付いてませんでした……！探しにくくてすみません！でも、読んでいただけて嬉しいです！ (2018年8月31日 17時) (
レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - すみません。もう少し調べてみたら見れました！本当にすみません(T-T) (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - あの、作品の一番始めといいますか第一話？が見れません。どうしたら見れますか？ (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
フェイたん - とても面白いです！夢主ちゃん可愛すぎ！これからもお体に気を付けて頑張って下さい！ (2018年1月12日 17時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2017年12月20日 0時
