4 ピンチの時の救世主 ページ5
*
遠くの曲がり角から現れた人影が、こちらを向く。さらりと艶やかな黒髪が風に揺れた。
「……サクヤ?」
訝しげな顔が暗闇の中で少しだけ見えた。自分の名前を呼んだ男性に手を振り、
「匿ってください!」
そう頼んだ瞬間、私は彼の腕の中にいた。
ちょっとびっくりしたけれど、彼は追っ手を撒くために、絶をして細い道を走り出した。勿論私も絶。
追っ手の気配は遠くなり、やがて消えた。私はほっと息をついて、彼の顔を見上げる。
「……ありがとうございました、イルミ」
「別にいいけど」
相変わらず素っ気ない返事ですね、イルミは。
彼は、イルミ=ゾルディック。
かの有名な暗殺一家ゾルディック家の長男。
私は、仕事を一緒にすることもあるし、キルア君やカルト君とも仲が良いから、よくお世話になる。
ーーという間柄なのですが、
「下ろして頂けますか?」
「匿ってって言ったじゃん」
……いかんせん、この人はしつこい。
「言いましたけど、もう追っ手いませんよ?」
「まだ近くにいるだろ。サクヤなら多分すぐ見つかる。相手は世界有数の盗賊集団だ」
……未熟者扱いしますね、もう。確かに未熟ですが。
って、
「何故イルミがそんなことを?」
「だってオレの今日の仕事の依頼人だし」
「依頼人……まさか」
思わずさっと青ざめる。イルミが敵だとしたら、私に勝ち目は無い。
「サクヤのことじゃないよ。あの家の近くを護衛してた奴等を殺った」
「何だ……よかった」
もし私がイルミの獲物だったらどうしようかと思った。逃げ……無理ですね。
ふう、と軽く息をついてイルミに問いかける。
「それで、どこまで連れて行く気ですか?」
「オレの家」
「何故!?」
「え?なんで?」
いやいや、聞き返されても困りますけど。
「匿ってって」
「ゾルディック家まで連れて行く理由がわかりません」
「連れていきたいから。ほら、母さんも喜ぶし」
キキョウさんかぁ……。キキョウさんにはお会いしたいけれど、
「キキョウさんは結婚の話が多いんですよ……」
「オレの許嫁だからでしょ」
「だからいつ私があなたの許嫁になったんですか」
と、こういうことを言われまくるのです。本当に謎。いつから言われてるかもわからなくなってきています。
「私行きませんからね!?」
「もう飛行船乗り込んだけど」
「えぇっ!?」
私に拒否権は無いのだろうか……。ありませんね、知ってます。
*
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藤原 黎明 - ヴィズさん» めちゃわろてるやんwwww びず姉ありがとう!!wwww (2019年8月15日 23時) (レス) id: d9b557ad09 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - んふふwww好きぃwww (2019年8月15日 22時) (レス) id: 54e78712b9 (このIDを非表示/違反報告)
藤原黎明 - RTさん» コメント気が付いてませんでした、すみません!ありがとうございます!これからも頑張ります^ ^ (2018年8月31日 17時) (レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
RT - とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年8月10日 14時) (レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
キサキ(プロフ) - メンチはシングルハンターです (2017年12月28日 13時) (レス) id: 3a616b600a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2017年9月30日 23時