僕らの曲が異能になりました!?【そらまふ×文豪ストレイドッグス】

ヨコハマ87 ページ5

中原視点








中原「______以上が先日の一ノ瀬の仕事の報告書です」





桜花から受け取った資料を元に、俺が少し纏めて、首領の前で読んだ。
目の前に鎮座する首領は、頬杖をついていて、如何せん詰まらなそうだ。

其処で、ふと首領の重い口が開く。






森「...中原君、君から見て、一ノ瀬彼方は如何云う人間だい？」






中原「...そうですね。一ノ瀬は頭のキレや回転が非常に早く、小さな頃にやっていた武術も体に付いている様でした...只、彼方の異能力についてよくわからない部分が有ります」




森「云ってみ給え」




中原「一ノ瀬の異能力は曲を具現化したり、体にその異能力を纏い使うことの出来るもの。宇宙という餓鬼の異能力について理解は出来ましたが、その他の魔女、虹共に如何様な異能力なのか不明です。ちょくちょく、使っているのは見ていますが...使う度違う様な力を持っているようで、検討がつかないです」






はァ、と溜め息を吐く。
手が自然と帽子を触る。俺の癖だ。

首領は少し、うーと唸ってから、俺にあるヒントをくれた。




森「中原君。君にも一ノ瀬君の生涯、見せたよね？」


中原「はい。一応確認だけ」



森「では、次にこの動画を見なさい」




首領に見せられた動画は音楽のもので、『嘘つき魔女と灰色の虹』と書かれていた。其処に写る男と女も、彼方の異能力である彼奴らで、色々と考えながら動画を見終えた。




森「彼らの異能力は歌。歌を聞けばおおよそで異能力を当てる事が出来るだろう...其処で、私の考えを君に教えよう...」









**









魔女「お兄さんお兄さん」



構成員「ん？如何かしたかい？お嬢ちゃん」




魔女「ふふ！私ね、空を自由に飛ぶことや、相手の考えている事が分かるのよ！すごいでしょ？」




構成員「そりゃあ、凄いな。本当に使えたら」




魔女「お兄さん信じてないの？」





構成員「んー、如何せ嘘でしょ？」






魔女「........」







魔女はニヤリと口角を上げる。






**






森「恐らく、あの子たちの異能力は“嘘を本当にする”だろうね」




中原「嘘を本当に？」




森「ああ、一ノ瀬君は大人を嫌い、全く信用も信頼もしていないだろう。それとこの曲、『大人は信じない____』と入っているだろう？其処から関連付けられる。彼女達は大人に嘘だと云われる事が異能力の発動条件なのだろうね...まあ、近くで見てみるといいよ。分かったら教えてくれ」


中原「...はい」

ヨコハマ88→←ヨコハマ86

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す