127 青年?こわ……い? ページ8
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目の前の人間が言う意味が、よくわからない。「もし」?「もし」っては、何だ?
俺の行動なんてその場で決まる。当たり前だ。この旅で言えばノープランだし、多分人間から見れば俺の行動はいつだって突然だ。
「質問を変えようか。ーーお前が、必ず
それを聞いた途端、寒気にも似た何かが、腹の底から這い上がった。
何かが脳裏に浮かび、次に何かーーなにか、大事なことが浮かびそうになる。
何だ、これ。この感覚はーー……
「リヒト!」
それが何かを捕まえる前に、それらは蜘蛛の子のように散って、ふっと消えてしまった。
「大丈夫かい?」
頰に暖かいものが触れ、やっと我に返る。目の前にいる人間の手のひらが、俺の両頰を包んでいた。
「……あれ」
「マチ、付いてきてたのか」
鮮やかなビビッドピンクの髪の毛、ツンとした猫のような瞳の女性。
「マチだ。何故、ここに?」
「何故っていうか……アタシが聞きたいけど」
マチははぁっとため息をついて俺から手を離した。青年が俺を見ているのに気が付いて、なんとなく、怖いという思いを抱く。これも初めての経験だ。
「団長、いじめすぎだよ。いくら気になるからって……一応人間の子供レベルだし」
俺の思いに気が付いたのか、マチが青年の肘を突く。
「そうか。悪かったな」
「急にフリーズするからびっくりしたよ。大丈夫かい?」
えーと、この2人は、友達、なのだろうか。ダンチョウ、という名前なのか?
首を傾げてそれを口に出すと、ダンチョウが噴き出した。マチはやれやれと首を振る。
「覚えてるか知らないけど、前に話したこの人が、アンタを気に入りそうだっていう仲間」
「あぁ!なるほど」
マチが別れ際に言っていた、ダンチョウとやらーーそれが、この青年か。
「はじめまして、俺はリヒトだ。お前の名前は?」
「クロロ。はじめまして、は違うと思うけど」
「クロロ……うん、なんだか、面白い名前だな」
頷いて、ホットチョコレートを飲んで、冷えていることに少し驚く。そんなに時間が経っていたのか?
「それで、何故?」
「団長が、アンタのこと興味あるって」
「フィンクス、という男を知ってるか?」
「……あ、え、うーん……知らない」
「知ってるな?フィンからも話を聞いた」
まさか、バレてるとは……驚きだ。
……相手が念能力者なら、当然なのだろうが。
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藤原 黎明 - 藍季さん» 藍季さん、優しい言葉をありがとうございます…!はい、無理せず色々のんびりやっていこうと思います!続編も出せましたので、是非に!楽しんでいただけたら嬉しいです(o^^o) (2020年3月2日 12時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
藍季(プロフ) - お身体はもう大丈夫ですか…?無理をせず、健康第一で更新頑張ってくださいね。ずっと応援しています! (2020年3月2日 12時) (レス) id: 183bdc47fe (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 神織さん» 神織さん、コメントありがとうございます!お褒め頂いて嬉しくも、更新ナメクジで申し訳ないです(泣) たまに思い出したときにでも覗いて楽しんでくれたら幸いです! (2020年3月1日 23時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
神織 - めっちゃ面白いです! 何で名作って更新停止されてるの多いんだろ(ボソッ (2020年2月9日 10時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 樹-KI-さん» ありがとうございます!すみません、最近誤字りまくってます汗 これからも頑張ります〜! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2fc4486bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2019年6月7日 23時