154 ゴン？ぎゅうぅ ページ36
*
「ゴン、ただいま……む、ぅ？」
ホテルの窓から入って、身体を再構築して立ち上がるとゴンが突進の勢いで抱きついてきた。何だ、どうした。
「ゴン？」
「……いなくならないでねって言ったじゃん」
いなくならないでね、……うん、確かに言った。そして俺は「勿論」と答えた。
「何回も呼んだのに」
「……悪い」
これは相当怒っている。怒っているのに抱きついてきているのは何故なのか。
困惑して、心配になって、俺もゴンの背中に手を回してぎゅっとする。
「びっくりしたんだ……リヒトが消えたから」
「……消えた？」
「うん。姿だけじゃなくて全部。うまく言えないけど……リヒトの存在が消えた、感じ」
「……」
まさか、俺が感覚を閉じたことをゴンは感じ取ったのだろうか。そんなことが、人間にできるとは思えないが。
そもそも、何故俺が感覚を閉じたのかーー
(何でだ……)
思い出せない。
思い出せないんだ。あの時人間に何を感じたか、何故防衛本能が働いたのか。
まるで、記憶を隠されてしまったかのようだ。何処に？誰に？わからない。
「ねぇ、何があったの？」
ただ俺が思うのは、ひとつ。ゴンに徒らな心配はかけたくないということ。
「……何でもないよ」
大丈夫。俺は死なないし、怪我だってすぐに治る。
それだけで、いい。
「心配かけてすまない。でも心配しすぎだ」
ポケットから取り出した飴の包み紙を剥がして、ぽいとゴンの口に投げ込む。
「……甘い。なにこれ？」
「それはプリン味だ。まだあるからあげる」
「多っ」
ポケットからたくさん出して渡すと、ゴンが笑ってくれた。俺も安心して笑い、飴を口に放り込む。
「んまい……あれ、キルアたちは？」
「そろそろ戻ってくると思うけど」
「ん？……いや、ドアの外にいるな」
包み紙をゴミ箱に捨てつつドアをばーんと開けると、レオリオとキルアが部屋にどさどさっと転び入った。
「何してるの？」
「何故入ってこなかったんだ？」
「いや〜〜あはは……」
「……お前ら、まさかできて……い"っでェ！！」
レオリオが何か言いかけたがキルアの高速蹴りがレオリオの脛に入った。痛そう。
「わー！？レオリオ大丈夫！？」
「キルアどうした？」
「別にー！！」
ものすごい勢いで目をそらされた。何故だ。
(いきなり2人が抱き合ってたらフツーびびるだろ！！フツー！！)
*
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藤原 黎明 - 藍季さん» 藍季さん、優しい言葉をありがとうございます…！はい、無理せず色々のんびりやっていこうと思います！続編も出せましたので、是非に！楽しんでいただけたら嬉しいです(o^^o) (2020年3月2日 12時) (
レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
藍季(プロフ) - お身体はもう大丈夫ですか…？無理をせず、健康第一で更新頑張ってくださいね。ずっと応援しています！ (2020年3月2日 12時) (レス) id: 183bdc47fe (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 神織さん» 神織さん、コメントありがとうございます！お褒め頂いて嬉しくも、更新ナメクジで申し訳ないです(泣) たまに思い出したときにでも覗いて楽しんでくれたら幸いです！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
神織 - めっちゃ面白いです！ 何で名作って更新停止されてるの多いんだろ(ﾎﾞｿｯ (2020年2月9日 10時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 樹-KI-さん» ありがとうございます！すみません、最近誤字りまくってます汗 これからも頑張ります〜！ (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2fc4486bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2019年6月7日 23時
