【H×H】君臨者の暇つぶし。#４

138 え？ぎゃー！？ ページ20

*




「よし！」

「何がだ」

次の日の早朝、広間に出てきたところをウボォーギンに拉致された。

そのまま裏の広い空き地に連れてこられる。ウボォーはよしと言ったが俺には意味がわからん。

「お前強いのか？」

「人間の強さの基準はよくわからない。肉体的なことか？それとも精神的なことか？」

「肉体だ！」

「……俺は死にはしないが」

「なるほど。じゃあいいな」

「？」

その途端、頭が潰れ飛んだ。……え、

「……んだよ、弱いじゃねーか！死んじまったし……」

いやいやいやいや。

「×××……お前何してんだ！？」

「おぉお！！？」

慌てて新しく身体を構築して、死体となった俺の一部も回収。

「何で生きてんだお前！」

「死なないからだが？いやそれよりお前」

「よっし！」

「だから話を聞けってーー」

今度は胸に風穴が空いた。がはっと多量の血を吐いて倒れーーた瞬間にまた新しく身体を作る。

「話を聞け、ウボォーギン」

「また生きてる……！すげーなお前！」

「お前じゃない。リヒトだ」

「リヒト、お前それ何なんだ？念か？それとも人外か？」

「念じゃないし人外じゃない。とにかく殺そうとするのは」

「もう一回だ！次こそ殺れる！」

「殺れるじゃなくて、だから話を……ゔぁあッ！？」

今度は首ぶっちん。今の、ものすごく痛い。だが死なん。

「何なんだ！そんなに殺すことないだろう！？」

「……！！」

「拍手するところでもない！！」

思わず叫んでしまうぐらい俺もびっくりしている。こんな奴初めてだぞ、全く。俺が死なない生き物じゃなかったら話もできていない。

「いや、悪りぃ悪りぃ。ちょっと興奮しちまってな」

「……興奮の度合いがおかしい」

「悪りぃって」

頭を撫でようと手を伸ばしてくるのさえ疑うぞ。俺を殺そうとしてるんじゃないかと。

「ウボォー、何してる」

「げ」

「クロロ」

片手に本を持ったクロロ登場。思わずクロロの後ろに隠れる。

「随分いじめたようだな」

「い、いや謝ったぜ？悪りぃって」

「無駄に傷つけるな」

(……傷1つねぇだろ)

「というわけで、オレと闘るか？」

「団員同士のマジギレは禁止だろ……？」

「何、ちょっとした遊びだ」

笑っているが、地味に怖い。

「いいだろう？」

「……おう！」

「リヒト、戻ってろ」

「それなら少し見ていきたいが」

「パクが朝食を作って待ってる」

「！じゃあ行ってくる」

俺がパクノダのごはんを頬張っているうちに、ウボォーギンがクロロに潰されたというのは後から知った。




*

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