150 俺は？ふぇーどあうと ページ32
*
【no side】
「あれ、リヒトは？」
腕相撲から戻ってきたシズクは、きょとんと首を傾げた。それを見てフランクリンも首を傾げる。フェイタンはふいと横を向いた。
「あの拷問じけんだいか」
「いたのか？」
「うん。2人がいるよって言ったら、会ってくるってこっちに向かったはずなんだけど」
「……この人混みだ、迷子にでもなったんじゃねえか？」
「ハ、相変わらずバカね」
「うーん……まぁいっか」
「腕相撲はどうだった？」
「負けちゃった。あの子強いよ」
「……」
「ゴン、どした？」
突然顔色を変えたゴン。キルアが気が付いてその顔を覗き込む。
「ごめんキルア、腕相撲代わって」
「は？お、おい！」
「ゴン！どこ行くんだ！？」
ゴンは腕相撲の相手を放り出して立ち上がり、人混みを掻き分けて道へと出た。
(リヒトのにおいがしない)
訝しげにゴンを見る人たちには構わず、ゴンは辺りを見回して叫ぶ。
「リヒトー！！」
いつもならば、ゴンが呼んだ時点でリヒトは彼の元に戻っただろう。しかしながら、彼は今すべての感覚を閉じてしまっていた。
何度ゴンが彼の名を呼んでも、リヒトにはそれが聞こえていなかった。
「リヒト……」
リヒトを、手に入れたがる人間は数多くいた。
それは人間を危機から守るという正義感であったり、力を独占したいという気持ちであったり、様々だった。
ーー至急、危険生物の引き渡しを求める
ーー君といるのは最大級危険生物、殺されるぞ
ーー子供の手に負えるものではない
「リヒトはオレの友達だ。物みたいに扱う奴らには絶対近付かせない」
そう何度も言ってきたが、遂に強硬手段に出る奴が現れたのだとゴンは気が付いた。
「ゴン、一体どうしたんだよ」
「リヒトのことか？あいつならすぐに帰ってくるだろ、そんなに心配することねーよ」
追いかけてきたキルアとレオリオは呆れたような顔をしていた。
「……ゴン？」
「……そうだよね！えへへ、心配になっちゃって……」
黙っていたゴンは慌てたように笑った。過保護だなァ、とレオリオは笑ったが、キルアは眉を潜めていた。
(あまりに、過保護な気がする)
このゴンの過保護さは、天空闘技場でも感じた。
ーーリヒトは、人間の悪意とか卑怯さとか、そういうものに弱い
ーーもし人間が嫌になったら……オレたちの前からいなくなっちゃうかもって
(ゴンは何か、隠してる)
キルアは顔を曇らせた。
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藤原 黎明 - 藍季さん» 藍季さん、優しい言葉をありがとうございます…！はい、無理せず色々のんびりやっていこうと思います！続編も出せましたので、是非に！楽しんでいただけたら嬉しいです(o^^o) (2020年3月2日 12時) (
レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
藍季(プロフ) - お身体はもう大丈夫ですか…？無理をせず、健康第一で更新頑張ってくださいね。ずっと応援しています！ (2020年3月2日 12時) (レス) id: 183bdc47fe (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 神織さん» 神織さん、コメントありがとうございます！お褒め頂いて嬉しくも、更新ナメクジで申し訳ないです(泣) たまに思い出したときにでも覗いて楽しんでくれたら幸いです！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
神織 - めっちゃ面白いです！ 何で名作って更新停止されてるの多いんだろ(ﾎﾞｿｯ (2020年2月9日 10時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 樹-KI-さん» ありがとうございます！すみません、最近誤字りまくってます汗 これからも頑張ります〜！ (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2fc4486bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2019年6月7日 23時
