123 少年？俺か ページ4
*
その少年と初めて会ってから3日。
本屋には珍しく何人か違う人間が入れ替わりで毎日1人いたが、あの少年に会うことは無かった。
もう会うこともないかと思っていた矢先。
「物知り青年、こんにちは」
「！？」
上から降ってきた。比喩ではなく。
「お前、……」
何処から降ってきた、と言う前に少年がオレの手を引っ張った。
「あげる」
握らされたのは、小さなアメ。『とろけるおいしさ！プリンキャンディー』とポップに描かれた。
「何だこれ」
「アメ。豚のことを教えてくれたお礼」
「ああ……それか」
どこに売ってたんだ、これ。見たことがない菓子だな。
「すまない、急いでるからまた今度な」
そうかと思えば、すぐに踵を返して走って行ってしまう。
何かの店のドアを叩いて、中から出てきた大柄な女性……いや男性かあれ。あの店は……子供の行くところじゃないぞあれ。おい。
とにかく男性に抱きしめられ、店の中に消えて行った。
「……」
入る気は、ない。流石に。昼間だし。いや夜でも入らないが。
【リヒトside】
本屋で出会った『物知り青年』と再会したのは3日後のこと。俺が友達になった店の『ママ』(母親という意味なのか、店長という意味なのか、混同していてよくわからない)に会いに行く途中だった。
空中を飛んでいたので、急に降り立つと青年はびっくりしたみたいだったが、まぁいいだろう。プリンのアメをこの前のお礼に渡した。美味しいんだぞ、これ。
「すまない、急いでるからまた今度な」
と言って急いでバーに向かう。出てきたママには思いっきり抱きしめられた。
「リヒト〜〜♡来てくれたのね嬉しい！」
「ああ。痛いよ」
「あらごめんなさいね、さ、みんな待ってるわよ！」
楽しそうで何より。ここの人間はみんな元気だし、俺も楽しい。
ほかに行きつけがあるのか、といえばそれはいっぱいある。他のバーはもちろん、喫茶店や、お婆さんがやってる果物屋とか。
あとは、本屋。あそこへは毎日通ってる。……実は、別の姿だと青年が気がつかないのが面白くて、毎日違う人間の姿になって行ってる。
今度物知り青年に会ったら、もっとゆっくり話したいな。
*
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藤原 黎明 - 藍季さん» 藍季さん、優しい言葉をありがとうございます…！はい、無理せず色々のんびりやっていこうと思います！続編も出せましたので、是非に！楽しんでいただけたら嬉しいです(o^^o) (2020年3月2日 12時) (
レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
藍季(プロフ) - お身体はもう大丈夫ですか…？無理をせず、健康第一で更新頑張ってくださいね。ずっと応援しています！ (2020年3月2日 12時) (レス) id: 183bdc47fe (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 神織さん» 神織さん、コメントありがとうございます！お褒め頂いて嬉しくも、更新ナメクジで申し訳ないです(泣) たまに思い出したときにでも覗いて楽しんでくれたら幸いです！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
神織 - めっちゃ面白いです！ 何で名作って更新停止されてるの多いんだろ(ﾎﾞｿｯ (2020年2月9日 10時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 樹-KI-さん» ありがとうございます！すみません、最近誤字りまくってます汗 これからも頑張ります〜！ (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2fc4486bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2019年6月7日 23時
