104 仲直り?ゴン好き ページ29
*
ふはっ、とリヒトが大きく息を吐いた。
「バカか」
「え!?」
突然「バカ」と言われてゴンが叫ぶ。リヒトは涙をごしごしと拭って、乱れた髪の毛を軽く撫で付けた。
「俺はそんなもの如きに負けないし、人間が嫌いになることも無いし、わざわざ退屈な世界に戻る理由なんてない。やっぱりゴンは面白いな」
リヒトの横でキルアが噴き出し、ゴンは口を曲げる。
「う……だって」
「でも」
ぶるっと一度頭を振って、リヒトは真っ直ぐゴンを見た。
「ありがとう」
ゴンは照れ臭そうにして、珍しく視線を逸らした。うん、とは呟いたものの、何か口を動かす。
「ゴン、お前照れてるだろー」
「ち、違うよ!あ、いや、照れて……はいるけど!なんか、あの……」
キルアがにやにやとゴンの顔を覗き込み、ゴンは頰を赤くする。リヒトはそれを見て笑いながら瓦礫からぽんと降りて、2人の背中を押した。
「俺、ご飯食べたい。行こう」
「わーかったよ!だからそんな押すな!」
練習場から出る瞬間、ゴンがリヒトの近くで呟いた。
「リヒト。いなくならないでね」
リヒトはゴンの横顔をちらっと見た。
「勿論」
「で、ヒソカと戦うんだって?」
うまうま、とデザートのアップルパイを頬張っていたリヒトが頷いた。
「あっふぃ……」
「飲み込めっつの」
「ん。あっちからの誘いだ。前に戦った時もかなり楽しかったし、もう一度戦ってみようと」
生クリームを頰から指で取り、ぱくんと食べてしまう。そして空になったお皿を避けて、運ばれてきたココアを一口。
「ゴンは見るなよ」
「んぇ!?何ぶぇ!?」
「お前も飲み込んでから話せ!」
特大パフェを食べているゴンに、リヒトは優雅に(?)ココアを飲みながら言う。
「俺が勝つから」
「?」
首を傾げたゴンに、チョコレートケーキを食べていたキルアが説明する。こっちはちゃんと飲み込んでから話す。
「つまり、リヒトとヒソカの戦いでゴンがヒントを得たら面白くないってことだろ」
「そういうこと」
「え〜〜……」
「もしものためだよ。結局は力でゴリ押すと思うがな。……すみません、シュバルツヴァルブロート、をください」
「かしこまりました(この子めっちゃ食う!)」
ちなみにデザートは4皿目(この前に特大パフェ&アップルパイ2皿)。
「あ!オレも食べるそれ!」
「じゃあオレもー。……で、能力できたの?さっきのやつか?」
「いや、あれは苛々の発散。能力は……考え中」
ゴンとキルアはサダソ達との戦い。リヒトはヒソカとの戦いに集中するらしい。
「頑張ろうね!」
「ああ」
*
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勿忘草 - 実況さんに返事をする夢主さんが面白いwww (2020年6月14日 18時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - マーシャさん» ふふふ(≧∇≦) 続編をお楽しみに!応援ありがとうございます! (2019年6月2日 6時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ - 黒髪の青年はクロロですねわかります! 続編頑張ってください! (2019年6月1日 17時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - キラさん» キラさんありがとうございます!!こっからも頑張りまーす!! (2019年5月19日 1時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - やっぱりいつ読んでも面白いですー!!これからも楽しみにしてます!! (2019年5月17日 22時) (レス) id: b207c7ff5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2018年12月29日 23時