102 ふたり？うまく、できない ページ27
*
「キルア……あいつら、キルアも脅迫したんだね」
「ああ。でもまぁ、一番気がかりだった師匠の許しは得たし」
夕暮れの中、闘技場に歩きながら2人は話す。ゴンはズシとリヒトのことを心配するが、キルアは口元に僅か、笑みを浮かべる。
「大丈夫。心配いらない」
それより、とキルアは話を変えた。
「リヒト、何処にいるんだろうな」
「だね。探しに行こう！」
ド……ッガシャァアアア
2人がやっとのことで(ゴンの嗅覚もリヒトには無効だったので)リヒトを見つけたのは、闘技場内の練習場だった。
「うわ……！」
「何これ！？」
リヒトが中心にいるのは何となくわかったが、場内はひどいものだった。リヒトのオーラによって破壊されたのか、壁は崩れ落ち、床は割れ、廃墟同然ーー否、廃墟以上の荒れぶり。
「リヒトー！」
ゴンが驚きつつ、瓦礫を越えてリヒトの名前を呼ぶ。リヒトがちらり、とこちらを見た。
「ーー何」
素っ気なく一言、リヒトは自分の指先に集中した。いつものリヒトとは違う反応に、目を丸くしたゴンは足を止めた。
「……あ、えっと」
思わず口ごもったゴンの代わりに、キルアが説明する。
「朝からいなかったから、探してたんだよ。ずっとここにいたのか？」
「ああ」
上に立てた指先を、くいっとタクトのように前方に振る。今度は粉々に瓦礫が崩れた。
「すげ……」
「別に」
「すっごいや。ずっと練習してたの？」
「まぁ」
「ごはんは？」
「食べてない」
「じゃあ一緒に食べに行こう？」
「行かない」
冷たく呟いて、リヒトはふいっとそっぽを向いた。キルアと顔を見合わせて、ゴンは眉を下げる。何故リヒトがこんなに冷たいのか、よくわからなかったからだ。
ゴンはリヒトの肩に手を触れた。
「ねぇ、リヒトーー」
が、
バシッ
「！？」
思い切り横に跳ね除けられ、よろけた。キルアがそれを受け止め、リヒトを驚きの目で見た。
「おいリヒト！お前何してんだ！」
しかし、そのリヒトも驚いたような表情。
「……っ」
さらに次の瞬間のリヒトの表情ーー戸惑いと傷ついた顔。
「リヒト……？」
「……ごめ、……」
呟いて、声が詰まる。唇を噛んで、肩を震わせたリヒトの目から、ぼろっと涙がこぼれた。
「は！？おい、何で泣いてんだよ！」
キルアがぎょっとして、リヒトの肩を掴む。嫌々をするようにリヒトは後ろに下がる。
「……リヒト」
口をつぐんだままの彼の手を、ゴンが取った。
*
103 何故泣く？自分でもわかんないんだってば→←お知らせ！！
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勿忘草 - 実況さんに返事をする夢主さんが面白いwww (2020年6月14日 18時) (
レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - マーシャさん» ふふふ（≧∇≦） 続編をお楽しみに！応援ありがとうございます！ (2019年6月2日 6時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
マーシャ - 黒髪の青年はクロロですねわかります！ 続編頑張ってください！ (2019年6月1日 17時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - キラさん» キラさんありがとうございます！！こっからも頑張りまーす！！ (2019年5月19日 1時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
キラ(プロフ) - やっぱりいつ読んでも面白いですー！！これからも楽しみにしてます！！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: b207c7ff5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年12月29日 23時
