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「おっ、Aちゃん!」
「忍……?」
その日の夜。
とりあえず風呂に入って汗を流したあと、ホテル内に設置されている売店でジュースでも買おうとふらふらしていたら、偶然忍と遭遇した。
「奇遇でござるな〜。Aちゃんは何を?」
「ジュース買いに来ただけ。忍は?」
「拙者は罰ゲームでみんなのご希望のものを買いにきたんでござるよ。……というかAちゃん、なんだか暗いでござるな?」
機嫌悪い?とでも言いたげに、心配そうな目でこちらを見てくる彼に首を振る。
「重労働だったからすごい疲れてさ……体力には自信あるほうだったんだけど」
「そ、そうだったんでござるか……ともあれ、よく頑張ったでござるなぁ、Aちゃん」
「ありがと……」
大きくため息をつきながら項垂れる私を見かねたのか、少したどたどしく頭を撫でてくれる。
身長差ゆえにしんどそうだけど……。
「……なんか救われた気がする」
「これしきのことならいくらでもするでござるよ!」
「いや、それはいいや。恥ずかしい」
「そっ、即答でござるな……!?」
とここで、ふと忍のさっきの言葉が気になった。
「そういえばさ、罰ゲームってなんのこと?」
「む?」
「さっき言ってたじゃん。罰ゲームでなんか買いにきた、みたいなこと」
「……ああ!そのことでござるか!」
私の言うことにやっと納得がいったらしい。
「さっき部屋でUNOをしていたんでござるが、みんなさっさと上がってしまって……拙者のストレート負けでござる」
「UNOでストレート負けって……カード運なかったの?」
「そりゃもう……出す直前で手札にない色に変えられるし、引いても記号カードばっかり出て消費に困るという事態に陥ったでござる」
ご愁傷様様だな……。
でも賑やかで楽しそうじゃん、と言うと。
「Aちゃんは一人部屋でござるか?」
「そうだよ」
「えええ!寂しくないんでござるか!」
「うーん……別に?」
正直もう寝ることしか頭になかったので、どちらかと言えば一人部屋の方がありがたかった。
すると忍が突然、何かを思いついたようにハッとした表情になる。
……なんかまた、突拍子もないことを言ってきそうな雰囲気――
「Aちゃん!」
「な、なに……」
「よかったら来るでござるよ!拙者たちの部屋に!一緒にUNOしよう!」
……やっぱりな。
またため息が出たが、どうやら忍には聞こえていないみたいだ。
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