六十六話 ページ32
夕月side
殺気を浴びて約10秒、僕達はやっと動くことが出来た。
息は上がるし、手も震える。
其れは鬼も同じようで、カタカタと震えていた。
あの様子だと、鬼の仲間ではない可能性が高いんだけど…、
どうも引っかかる。
鬼、しかも上弦すらを震えさせる程の殺気を出せる人が、
人にまで殺気を当てる物か?という感じ。
三日月様はたとえ離れていても、
鬼にだけ恐怖を与える事が出来ていた。
三日月様より劣るかどうかは分からないけど、
アレだけの殺気を出せれるなら、誰かに限定する事も出来る筈。
なら、其の人物は人間にも敵対心がある…、
その仮説が正しいなら…。
《ドスッ》
鈍い音が聞こえた。
実弥・玄弥「時透/時透さん!!!!」
叫び声に、近かったと思う。
風柱の悲痛な声に同じ場所を見る。
左腕を切られて重傷だった霞柱。
彼を見れば、右脇腹に浅めの切り傷。
そして、右足は切断されていた。
朝月「夕月っ!!!」
数メートル離れた所にいた朝月が焦ってこっちに向かって来ていた。
正面を見ると、光る刃が迫っている。
夕月「…ッ!!!」
後ろに体を反らせ、刃を避けるが、
恐ろしいほどの風圧により体が後ろに吹き飛ばされる。
朝月「夕月!!怪我は?!」
夕月「大丈夫。ちょっと髪が切れただけ。」
部屋にある無数の柱の近くで僕達を吹き飛ばしたであろう主を視認しようとする。
朝月「煙が凄くて見えない…。」
悲鳴嶼「時透!!大丈夫か?!」
嗚呼そうか、あいつ等は三日月様みたいに治せないだったな。怪我。
そんな事を考えていると、
目の前の煙が突如として起こった風により、晴れて行った。
朝月・夕月「「三日月…、様?」」
実弥・悲鳴嶼「「天羽…、三日月…??」」
いや、三日月様じゃない。
目の前に立っている奴は、今の三日月様と真反対の色をしていた。
髪型は寸分違わぬ程同じ。
しかし太陽の温かさを模した様な赤い髪だった。
でも、月の浮かぶ優しい空の様な藍色の髪が数束混じっていた。
白魚の様な手は、何十、何百年と日に当たる事を忘れたかのように白い。
その手の中には三日月様が持っていた金色の扇と同じ扇。
顔は、後ろを向いている所為で見えない。
夕月「ねぇ、朝月…、鬼、何所に行ったの…?」
疑問を口にした瞬間、
ベチャベチャベチャ
と、嫌な音をたて、僕達の服を血で汚しながら、
落ちて来たのはあの鬼の体だった。
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たると - 三日月様ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(泣) (2021年1月1日 23時) (レス) id: d38843ceb1 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - mythosさん» おぉ…!!丁寧な考察有難うございます!最終決戦はどうしようかなぁ、というところなんです。それに乗じて、もいいな、と思いました。ありがとうございます。 (2020年5月20日 12時) (レス) id: a4d9844d68 (このIDを非表示/違反報告)
mythos(プロフ) - mythosです。初めまして。白夜さんの作品凄く面白いです!この夢小説は鬼殺隊によって親族を●されてしまった人たちの集団 碧ノ三日月!鬼殺隊との同盟がなくなれば、碧ノ三日月隊は鬼殺隊を蹂躙する感じですか?最終決戦はそれに乗じてしのぶ達を (2020年5月20日 11時) (レス) id: de1f76a452 (このIDを非表示/違反報告)
白夜 - 奈雪さん» ありがとうございます…!!奈雪様もお体に気を付けて! (2020年5月15日 15時) (レス) id: a4d9844d68 (このIDを非表示/違反報告)
奈雪(プロフ) - もうとにかく好きです。体の負担にならない程度で更新頑張ってください! (2020年5月15日 14時) (レス) id: 5baed18305 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜 | 作成日時:2020年5月11日 10時