62. B'day-3 ページ12
横になったまま短い息を繰り返し吐く。
肺がなんとか酸素を取り込もうと胸を上下させ、火照った裸の体を冷まそうと汗が全身から吹き出す。
「ほれA、水」
「……ぁりがと」
半分ほど音になっていない声を出しながら起き上がって、あろまが台所から取ってきた水を受け取り一気に煽る。
「っ、ぅぇ、ゲホッ」
「あーあー、大丈夫か」
水が気管に入って咳き込む私の晒された背中をあろまかは優しく撫でた。
それだけで体がビクリと反応してしまう。
「……こんな、疲れるの、これ……」
「……まぁ」
コップをあろまに渡して布団に倒れ込む。
もうしばらくいいや、と思うほどの疲労感。
同時に、それをずっと上回る幸福感。
私だけを見たあろまの目が、手が、体が。
私の全てを支配して、おかしくなってしまう。
はぁ、と大きく息を吐く。
ようやく呼吸が整ってきた。
コップを机に置いたあろまは、私の横に座って体を折り曲げ小さなキスを首筋や胸元に落としてくる。
くすぐったくて体をよじるが、肩をベッドに押さえつけられてしまって逃げられない。
「…………ひぅ、」
「あーいい声……もう1回したくなってきた」
「や……、むり……」
手付きこそ優しいが、ゆっくりしつこく繰り返し行われた行為にすでに私の体は満身創痍だ。
焦点の合わない目で見上げると、あろまの目はまたギラついて私を見下ろしている。
大事にしてくれるとはなんだったのか。
「ふふ、こんなんじゃ今日出かけられねーな」
「……出かけたかった……」
「近場の行きなれたとこ行くよりお家でイイことしてるほうがいいだろ」
「もーむりだよぉ……」
「元気だせ若者」
「あろまが三十路のくせに元気すぎなの！」
「そりゃそうだろ。だって、」
長年の恋心をようやく自覚したところなんだから。
あろまの真剣な目つきと囁くような小声に囚われて、結局私は流されてしまうんだ。
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せとか(プロフ) - 有馬さん» 前作に引き続きご愛顧いただきありがとうございます！あっためすぎてもはや煮詰まってしまったのではないかと心配になりますが可愛いと言っていただき嬉しいです。今後もよろしくお願いします。 (2020年9月16日 23時) (
レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 完結おめでとうございます！前作に引き続きとても楽しく読ませていただきました。今回もｷｭﾝｷｭﾝが止まらなかったです……6年も前からあっためていた作品…両者の歳の差や関係性に葛藤する二人が可愛かったです。素敵な作品をありがとうございました！ (2020年9月16日 22時) (レス) id: adf3e71480 (このIDを非表示/違反報告)
せとか(プロフ) - ﾊﾅﾋﾞｴ（碧鳴）さん» いつもコメありがとうございます！AN○は他の動画では見られない素敵な姿が見られますよね……私も見返してこよ 自作も引き続きよろしくお願いします。 (2020年9月5日 14時) (レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
せとか(プロフ) - 時雨桜さん» 稚拙な文をお褒めいただき嬉しいです。ラストは自分でも唐突にぶっこみすぎか？と思ったもののその場の勢いと趣味を優先させました。趣味全開の文を最後までお読みいただきありがとうございます！ (2020年9月5日 14時) (レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
ﾊﾅﾋﾞｴ（碧鳴）(プロフ) - 完結おめでとう御座います 更新され読むたび奇声をあげながら読んでました‥せとかさんの作品がほんま好きすぎる‥故に‥悲しいけれど‥次の作品も待ってますゆっくりと。久々に夢でキュンキュンさせられました‥AN○wの回たまたま最近見返したから‥びっくりしました (2020年9月5日 0時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せとか | 作成日時：2020年8月23日 19時
