49. 4日目-2 ページ49
「いや俺見たし!」
「信じませぇ〜んあろまがそんなことするかボケ」
「するだろ!俺見たもん!あろまいるもん!」
「隣のトロールかよ」
「あろまはいるだろ何言ってんだこいつ」
あろまと私が抱き合って寝ていた、というきっくんさんの証言に私達が2人して否定した結果、FBさんはあっさり私達を信じてこの騒ぎ。
えおえおさんは騒ぐきっくんの声で起きたのが気に食わなかったのか、低く小さい不機嫌な声で「……シャワー」とだけ言って風呂場へと消えていった。
昨日唯一酔っ払ってなかった紳士はどこへ行ったんだ。
「あー、もういいわ……言っとくけどホントに俺見たからな!……あ、えおえお上がった?じゃ次俺〜」
「ん」
タオルで頭をわしゃわしゃとかき混ぜながら出てきたえおえおさんと入れ替わりに、きっくんさんは風呂場へ去っていく。
騒がしい人だ。
その印象は動画で見たものと寸分たがわず、改めてこの4人が動画外でもいつもこの調子であることを表している。
しばらくして、シャワーから上がってきたきっくんさんは髪をポンポンと叩き拭きながら声を上げた。
「あろまー、ドライヤー貸して」
「ドライヤーないわ」
「いやあるだろ!俺があげたやつ!」
「廃品回収に出した」
「ウソん!……って、ここにあるじゃん!」
きっくんさんは先日私が借りて置きっぱなしになっていたドライヤーを手に取った。
ふと、あろまの言葉を思い出す。
――……そういうのにうるさい友達が新しいの買ったからっつってくれた
ああ、あれきっくんさんのことだったのか。
確かに髪の毛気を使ってそうだ。
あろまはスマホゲーのログインボーナスを受け取りながらFBさんを軽く蹴る。
「お前ら全員起きたんならさっさと帰れよ」
「えぇ〜〜せっかく集まったんだからなんか撮ろうよ〜〜」
「集まったんじゃなくてテメーらが勝手に来たんだろ!Aもいるのに撮れるか!」
「あ、あろま私今日帰るから……」
「えー!帰るの?」
静音のドライヤーとはいえ、きっくんさんは聞こえにくいのか先程よりも少し大きくなった声で聞く。
「か、帰るよ!ホントは昨日のつもりだったんだけど、観光してたから……」
「つまんなーい」
「おら、だからお前らも帰れ。俺A空港に送ってくから」
「お〜やっさし〜」
「あろまーゲームしていい?」
「えおえおお前居座る気まんまんじゃねーか!!」
……こんな素の4人見られるの、贅沢な気がする。
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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…!!続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せとか | 作成日時:2020年7月8日 18時