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43. 3日目-4 ページ43

「楽しかったー」
「おー、おつかれ」

あろまの家に戻って、ソファに腰掛けるとあろまも隣にドサッと座る。
背もたれに体を預けながらペンギンのぬいぐるみを弄っていると、ふと視線を感じて顔を上げる。
隣に座ったあろまが同様の体制で顔をこちらに向けている。
その表情がいつもより優しいような気がして、ちょっとドギマギしてしまう。

「な、なに?」
「別に?そのペンギンどんだけ気に入ってんだよと思って」
「だ、だってあろまが買ってくれたんだもん……」

恥ずかしくて視線をペンギンに戻してうにうにと揉む。
ごめんペンギンちゃん、今日は行き場のない感情をあなたにぶつけてばっかりです。

向けられたままの視線と沈黙に耐えられず、なんとか会話を始めようと切り出す。

「さ、さっきも言ったけど水族館でイベントなんて凄いね」
「脱出ゲーみたいなやつな。あいつら自分がやる側だったら解けんのかよって感じだけど」
「あいつら、って……」
「FBときっくんとえおえお」

その名前は勝手に漁って読んだ本で何度も見た。
あろまが三人の話をするときはちょっとぶっきらぼうになるけど、それがまた天の邪鬼な性格から本音が伝わってくる。

見てみたい。
もっとあろまのこと見てみたい。
私には隠されていた、あろまの一面。
三人と一緒のときのあろまは、きっと私の知らないあろまなんだろう。

「……別にいいけど」
「へ!?」

驚いて顔を上げると、あろまはソファから立ち上がって作業部屋に入り、ノートパソコンを片手に戻ってきた。

一瞬心を読まれたのかと思ったが、また意識せぬうちに思いが口をついて出てしまっていたらしい。

「ほい」

ずい、と渡された画面にはずらりと動画が並んでいる。
えっと、これは。

「俺ゲームするから見てれば」
「あの、あろま、どれから」
「どれだっていいだろアホ」

あ、照れてる。

あろまの口調は乱暴だけど、せっかく見るお許しを貰ったので、とりあえず有名なゲームを一つ選んで、Part1と書かれたリンクをクリックした。

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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…!!続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せとか | 作成日時:2020年7月8日 18時

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