33. 1日目-4 (a視点) ページ33
「あろまなんか今日調子悪い？」
何度目かの乙を繰り返した頃、えおえおにそう聞かれた。
「ちょっと休憩しましょか」
FBは立ち上がり、お菓子を持って戻ってきた。
バリ、と音を立てて開いた大袋から個包装のお菓子を手に取り口に運ぶ様子を横目で眺めていると、背中にドン、という衝撃。
「あぁろまぁ！なんかあったのかよ！！」
「うるさ」
きっくんが背中に寄っかかりながら、腕を回した肩をバンバンと叩く。痛い。
「……別になんもねーよ」
「嘘だね！俺にはわかるぞ！この堕天使がお前の懺悔を聞いてやろう！」
「堕天使に向かって懺悔するのかよ」
三人に気を遣わせているようでどこか癪だ。
のしかかっているきっくんをそのままに、あくまでさりげないふうに口を開いた。
「……きっくんさあ、年下の女って……どう思う」
「は？」
「いや、なんでもない」
俺はアホか。
今のどこがさりげないんだ。
明らかにおかしいだろ。
「なに？若いファンの子にでも惚れちゃった？」
「ちげーよ」
「いや〜でもたまにすっげーかわいい子とかいるよね！」
「だから違うし」
「まぁ俺は5、6歳ぐらいまでかなー！えおえおは？」
「あぇ？……まぁ、そんなんじゃない？」
突然の振りに、ぼーっとしてたじじいは適当に答える。
お前本当に話聞いてたのか？
「まーそうだよなーだって10歳とか離れてたら今20歳だろ？ちょっと若いっしょ」
「俺20ぐらいの頃30歳ってすげーおっさんだと思ってたわ。自分が30目前になると全然そんな感じしないけど」
「やーでも言うてもいいおっさんやろ俺ら」
いつのまにかFBも会話に加わり、話を振った俺そっちのけで盛り上がっている。
10歳差は若い。
それはそうだ。わかっていたことだ。
その考えは、昔から変わってはいない。
だから俺の引き出しに仕舞われた気持ちは、やっぱりただの父性として考えるべきなんだろう。
気持ちを落ち着かせるために麦茶のペットボトルを煽ると、えおえおがふいにこっちを見て口を開いた。
「そういえばあろま、昔なんか年離れた子に凄い好かれてたよね。高校のとき」
んぐ、と麦茶が喉に詰まりかけたのを、ぎりぎりのところで抑える。
なんでこいつはそんなこと覚えてるんだ。
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せとか(プロフ) - 碧鳴さん» 碧鳴さん前作に引き続き今作も読んでいただきありがとうございます。前作に増して特殊設定ですが楽しんでいただけると幸いです。 (2020年7月10日 13時) (
レス) id: 05c1f5cb14 (このIDを非表示/違反報告)
碧鳴(プロフ) - 新作…！！続き楽しみにしております (2020年7月10日 10時) (レス) id: e2ccf18f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せとか | 作成日時：2020年7月8日 18時
